6人の眼科医が「Vision Pro」を実際に体験し「目の健康」への影響を検証
さらにここからは、前項の回答に見られた「目に悪そう」という理由に注目し、6人の眼科医に「Vision Pro」を実際に体験したうえで、目に及ぼす影響について検証してもらいました。
スマートグラスは、デジタルと物理的な空間を融合させ、ユーザーに新しい体験を提供する革新的なデバイスですが、長時間の使用や不適切な使用によっては目の疲れや視覚的な問題を引き起こすことが懸念されます。
今回の検証で、眼科医たちは特に「視力低下のリスク」「視覚的ストレス」「ドライアイの悪化」の3つについて懸念を示しています。長時間集中して画面を見続けることで、目の疲労や乾燥を引き起こし、近視の進行を促進する可能性があると科学的にも指摘されているそうです。
また、画面の明るさ、コントラスト、画面上の動きが目に過剰な負担をかけることで目の疲れ、焦点調整の問題、時には視覚的な錯覚や不快感などの視覚的ストレスに繋がり、ドライアイの悪化による角膜の損傷や感染症のリスクが高まることもあるというのです。
医療業界でも活躍できる魅力は十分にある
続いて、実際に体験してみて具体的にはどのように感じたのか、質問に沿って眼科医としての見解を述べてもらいました。
「目への負担は?」という質問には、「集中することによりドライアイの悪化、眼底疲労の原因になる可能性があります」(田辺院長)、「斜視の方にとっては、両目の像を脳でひとつにするのが難しい可能性があります」(宇井院長)との回答が。両院長とも負担を感じたようです。
また、「どのように使用したら目の負担が軽減する可能性があるか?」という質問に対して、宇井院長は「眼精疲労を予防するためアメリカで考案された、20-20-20ルールというのがあります。20分デジタルデバイスを見たら、20秒間、20フィート(6m)遠くを見るというものです。20分の休憩時にデバイスを外して遠くを見るというのはひとつの目安になるかと思います」とアドバイスしています。
適切な使用時間については、「休憩入れて1時間程度が望ましい」(田辺院長)とし、「こういう目の病気・症状がある人は気を付けたほうが良い等ありますか?」という質問には、松原院長が「両眼でものを見るので、黄斑変性症、緑内障、白内障など両眼の病気をお持ちの方は使いづらいかもしれません。その方のみならず、片目だけに病気があり、視力が悪い、視野が狭いなどの病気があると使いづらい可能性があります」と注意を促しています。
さらに、「医療業界で使用することはできそう?」との質問には、「簡易検査機器や治療機器として活躍できる魅力は十分にあると感じました」(泉院長)、「コメディカルスタッフが機械の操作をしているのを立体的にそのまま録画できるので、初心者への技術継承に有効であると感じました。将来的には医師が使用して遠隔手術ができるようになれば便利だと思います」(松原院長)、「視野検査を固視不良(左右の目の視線がわずかにずれている状態)など患者要因をこれまでのものより減らすことができるようになりそうだと思いました」(今野院長)、「すでに弱視の治療用のVRが考案されています。悪い方(弱視)の目を効率よく使わせるための工夫をすれば、弱視治療が可能だと思います」(宇井院長)など、様々な意見が交わされました。
まだ認知度の低い「Vision Pro」ですが、普及していくに伴い「目の健康」への注意が必要である一方で、医療現場での有効な活用方法も考えられるなど、様々な可能性を秘めたツールでもあるようです。今後どのような広がりを見せていくのか、注目していきたいですね。
出典元:【THE J.V.株式会社】
引用元:【Apple Vision Pro/Apple(日本)公式サイト】
※サムネイル画像は(Image:「Apple」公式サイトより引用)
文・オトナライフ/提供元・オトナライフ
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