人穴(ひとあな)とは、静岡県富士宮市人穴地区に存在する溶岩洞穴のことである。富士山の噴火によって7,000年前にできた自然穴であり、諸説あるが古くから人の居住場所として利用されていたために「人穴」と名付けられたと言われている。富士講の聖地としても知られる一方で、富士宮市を代表する心霊スポットの一つとしても知られている。
人穴には古くから伝説や伝承が残されており、例えば『吾妻鏡』には、将軍の命令で人穴の調査が行われたところ主従6人が霊的な現象を体験し、郎従4人が急死したという記録が残っているという。
また、富士講の開祖である藤原角行がこの人穴で修業を行ない、1558年にこの場所で富士講を始めたとされ、富士講の聖地として参詣や修行の場にもなっていったという。源頼朝・頼家に仕えたという武将仁田忠常が人穴に入り、洞窟とは思えない異世界のようなものを洞窟の奥に見たといったという伝説もある。
この人穴のある地区には、1648年に創建された「人穴浅間(せんげん)神社」が存在しており、木花之佐久夜毘売命(コノハナノヤクヤビメ)と先述した藤原角行、そして徳川家康(源家康朝臣)が祭神として祀られている。なぜ家康が祀られているのかというと、甲斐武田氏の残党に追われていた家康が角行によってこの人穴に匿われたことに由来するという。
人穴は奥行きが80メートルほどあり、その最奥には碑塔3基、石仏4基の祠が立ち並んでいるというが、現在は倒壊の恐れがあるとされて立ち入りが禁止されているため、一般人は入ることができなくなっている。
さて、心霊スポットとしての人穴は、黒い人影が現れる、どこからともなく笑い声が聞こえてくる、見られているような気配を感じる、などの情報がある。また、心霊とはまた違うが、この洞穴が江ノ島に通じているという噂もあるという。
しかし、最も恐れられているのは人穴ではなく、実は人穴浅間神社のほうであるようだ。人穴浅間神社には、「車で鳥居をくぐると無事に帰ることができない」というような都市伝説があり、これも心霊スポット定番ではあるが、帰り道に事故に遭ったというような話もあるという。
境内での心霊現象の目撃もあるようで、人型をした巨大な火の玉、首の無い女性の霊が歩いている、といったような話が聞かれているとのこと。現地には鳥居を避けて通行できるよう迂回路が整備されており、このような鳥居の呪いを回避する処置ではないかとの声もあるが、鳥居への接触を避けるための処置であると考えるのが妥当だろう。
聖地であると共に心霊スポットと称される人穴および人穴浅間神社。少なくとも言えるのは、畏れ敬う気持ちを忘れてはならない場所であるということだろう。神聖視される地であるからこそ、粗相に対しては大きな代償が払わされるのだ。
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文=ZENMAI(ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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提供元・TOCANA
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