皆さんボンジョルノ!イタリア・シチリア在住ライターのサエコです。
近年、ベジタリアン(菜食主義者)やヴィーガン(完全菜食主義者)というライフスタイル/生き方がどんどん広がっていますね。日本ではいかがでしょうか。筆者が住むシチリアでも、あえてベジタリアン・ヴィーガンメニューを提供するお店が増えてきているように感じます。
が、そもそもシチリアに昔からある料理の中にすでにベジタリアン・ヴィーガンメニューのものがあるんです。
ということで今回は、そんな郷土料理も含め、シチリアのだいたいどこの地域でも出会えるベジタリアン・ヴィーガンメニューをご紹介したいと思います。シチリア旅を検討中のベジタリアン・ヴィーガンの方だけでなく、乳製品にアレルギーのある方の参考にもなれば幸いです。
目次
イタリアのベジタリアン・ヴィーガン事情
昨年のデータでは、イタリアの人口の6.6%がベジタリアンまたはヴィーガンとのこと。これが多いか少ないかは別にして、「ベジタリアン・ヴィーガンに優しい国かどうか」というのが話題にあがるほどですから、観光立国と言われるイタリアとしては、ベジタリアン・ヴィーガンメニューを充実させることがこれからどんどん重要になってくるでしょう。
それでは早速、筆者がシチリアで出会ったベジタリアン・ヴィーガンメニューをいくつかご紹介しましょう。
1. ブルスケッタ・クラッシカ(Bruschetta classica)
とりあえず定番のブルスケッタ・クラッシカを注文しておけば、どこで食べてもヴィーガンメニューです。レシピ自体はたくさんありますが、使っているのはフレッシュトマト、オレガノ、にんにく、塩とオリーブオイル。刻んだ玉ねぎが入ったり入らなかったり。"シンプル=最高"の極みですね。
ブルスケッタは、アンチョビやチーズなどがのっていない限り、ベジタリアン/ヴィーガンのものが多いので色んな種類が楽しめます。アペリティーボ(夕食の前におつまみと一緒にお酒を飲むこと)におすすめです。
2. カポナータ(Caponata)
カポナータはシチリアの郷土料理で、なすやパプリカ、玉ねぎといった色とりどりの野菜を炒め、甘酢で味付けしたもの。
基本的にヴィーガンメニューと言えますが、昔は魚に添えるソースの役割を果たしていたため、お店(特に魚介を扱うレストラン)によっては魚を加えたものもあります。メニューに食材が書かれていない場合は、念のため、店員さんに確認されることをおすすめします。
以前カポナータのレシピ記事も執筆しましたので、良かったら見てくださいね★
3. マッコ・ディ・ファーベ(Macco di fave)
マッコ・ディ・ファーベと呼ばれる乾燥そらまめのスープ。特に寒い日にぴったりです。シチリアの他、南イタリアでも食されているそうです。結構お腹にたまります。
4. プリミ(パスタなど)
パスタは実際にお店でメニューを確認するほかないので、最近筆者が巡り合ったメニューをいくつかご紹介します。定番中の定番であるトマトソースやアーリオ・オーリオ・ペペロンチーノなどは今回は省きます。
グリーンピースを使った素朴で優しい味のパスタ。
シチリアならではのピスタチオペーストを使ったパスタ。写真のものはヴィーガンメニューになっていましたが、ピスタチオペーストのパスタ=ベジタリアン/ヴィーガンでは決してなく、魚介類やクリームなどを使う場合もあるので、材料はしっかり確認してください。
野菜を使ったクスクスもおすすめ。下の写真ではスライスアーモンドが贅沢にかかっていてクスクスが見えませんが、黄色い粒々がクスクスです。
5. ピッツァ
シチリアに限らず、ピッツァに関してはもう何でもあり。そもそも「オリーブ多めで」「サラミ追加で」「ルッコラのせて」「チーズ少なめで」など自分の好みにカスタマイズする人が多いので、ベジタリアン・ヴィーガンピッツァをオーダーするのは簡単です。
下記の写真では、手前の方はチーズがあるのでベジタリアン、奥はチーズ抜きのマッシュルームのピッツァです。
6. パネッレ(Panelle)
パネッレはシチリア西部パレルモのストリートフードで、ひよこ豆粉を練って油で揚げたもの。やはり本場パレルモで食べることをおすすめします。筆者はこのパネッレが大好きで、パレルモでパネッレを食べるためだけに交通費を払うのを厭いません。
7. グラニータ(Granita)
シチリアの夏のスイーツの定番です。グラニータはフルーツと砂糖と氷だけなので、ヴィーガンメニューです。コーヒーやチョコレートといったフルーツ系以外のグラニータも基本はヴィーガンメニューなのですが、お店によっては牛乳など使用するケースもあるかもしれませんので念のためご確認ください
さいごに
イタリアの他の地域では暮らしたことがないので適当なことは言えませんが、少なくともシチリアは、ベジタリアン・ヴィーガンの方にぴったりの土地だと感じました。なぜなら、肥沃な大地と太陽のおかげで、野菜や果物がなんでもすくすくと育ってしまうから。
そして、ベジタリアンやヴィーガンの方のために何か新しく開発したわけでなく、昔からあるその土地の料理を純粋に楽しめるから。 ベジタリアン・ヴィーガンの方を含むすべての方がグルメを楽しめるシチリア、ぜひ次の旅行先にご検討ください。
文・写真・サエコ/提供元・たびこふれ
【関連記事】
・避暑地アッター湖で、クリムトセンターと「クリムトの庭園」を訪ねる
・ベルリン郊外に残るベルリンの壁跡地でハイキングやサイクリングを楽しむ
・高速列車「あずま」で東海岸を行く、ロンドンーエディンバラ間鉄道の旅
・【北海道】異国情緒溢れる街・小樽に行ったら、たくさんの笑顔に溢れていた。
・ハワイ・ハレイワタウンでランチをするなら?食べたい内容別のおすすめ5店を紹介