テレワークの導入や副業の解禁など仕事への価値観が多様化しているなかで、これから社会に出ていく学生の仕事やプライベートなどへの価値観やニーズにも変化がみられています。

就活・転職メディアの運営を行う株式会社ワンキャリアは、2026年卒予定の大学生586人を対象に実施した「就職活動に関するアンケート」の結果を発表。

近年の傾向であるという「キャリア上昇志向」から、「ワークライフバランス」を重視する状況が見えてきたといいます。

就活の早期化は時代の流れに

調査結果によると、26卒の「就職活動の情報収集(インターン募集情報・自己分析など)」の開始時期は、「2024年3月以前」が42.9%、「2024年4月」が40.1%となりました。

2023年度調査では、「2023年4月(20.7%)」、「2023年3月以前(2.7%)」をあわせても全体の約20%ほどだったといい、就職活動の早期化が読み取れるといいます。

また、「就活をいつごろまでに終了したいですか」という質問に対し、大学3年生にあたる「2025年1月~3月」が31.6%、4年生に進級した直後となる「2025年4月」が22.4%と全体の50%以上を占め、終了時期を早めたいと考えている傾向が見られました。

職種選びでは自分とのマッチ度を重視

「志望職種を決める際に重視することとして最も近いもの」を問うと、「興味がわく仕事内容・興味がある課題を解決していること」が40.8%と最多に。

職種や年収などに重きを置く「キャリア上昇志向」傾向にあった過去の調査とは異なり、自分の興味思考や特性、スキルとのマッチを重視する状況があるといえそうです。

志望企業の決め手は「ワークライフバランスの確保」

「志望企業を決める際に最も重視すること」は、「ワークライフバランスが確保できる」がトップの16.0%でした。では、その状態とはどんなものだと考えているのでしょうか。

「上長や同僚がワークライフバランスを尊重し、働き方に理解を示しているかどうか(42.6%)」「柔軟な働き方(フレックス制度)ができる働き方かどうか(26.4%)」が、この設問回答者192人の半数を占めています。

株式会社ワンキャリアでキャリアアドバイザーを務める小林直樹氏は、「日々、学生と面談をしているなかでも『ワークライフバランスを重視したい』という声は強く、『年間休日日数』『土日に休めるのか』『副業や趣味と両立できるのか』など、自分の時間を確保できるかなどの指標をしっかりと見て企業を見極めています」と指摘しています。