ネット上では、「コロナワクチンでは、非常に多くの副反応事例が救済認定されているため、薬害で間違いない」といった主張をしばしば目にします。 私はこの主張には賛同できません。

このような主張は、副反応に苦しむ人に常に利益をもたらすわけではなく、場合によっては害を成す危険があります。今回は、その理由について説明してみます。

反対する理由は2つあります。

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【理由1】薬害かどうかの判断は副反応検討部会の審査結果で決まるのが道理

薬害かどうかの判断は、厳密な因果関係を検証する副反応検討部会の審査結果をもってなされるべきです。この審議会でα評価事例が多数認定されれば薬害の可能性が高くなります。

一方、救済認定をする疾病・障害認定審査会は、薬害かどうかを審査する会議ではありません。厳密な因果関係の評価は必要とせず、副反応に苦しむ人を経済的に支援することが目的です。

審議会にはそれぞれの目的があります。各目的を理解した上で議論することが大切です。このことが理解できていませんと、議論が空転するだけで、建設的な議論となりません。