また新たにウイスキー蒸留所が生まれる。十勝酒造株式会社では、北海道幕別町に「十勝蒸留所」を創業し、2025年秋からウイスキー製造を開始する。それに伴い会員制サイト「十勝ウイスキー倶楽部」を開設。0から始まるウイスキー造りを一緒に見届けたい人へ、面白いサービスを提供する。
本格的なスコッチモルトを目指して
十勝蒸留所のウイスキーは、本場スコットランドで4ヶ所の蒸留所に従事した経験を持つ、ボブ・ストックウェル氏が製造責任者に就任。十勝地方の風土や気候の特徴を生かした伝統的なウイスキー造りを目指すという。
設備には世界で最も導入されているスコットランドのフォーサイス社製蒸留システムのポットスチルを2基導入。年間16万lのニューメイク(蒸留原酒)生産を計画している。
熟成は200lのバーボン樽や500lのシェリー樽をはじめ、地元十勝のワイナリーから赤ワイン樽を使用して、年間約800樽前後の熟成を行う予定だ。
1日の気温差が20℃を超えることがある十勝地方の特異な気候環境の中、新たなる名酒を生み出すべくプロジェクトが始動したのである。
製品化については、原料に海外産の大麦麦芽とバーボンバレルを使用したノンピーテッドタイプとライトピーテッドタイプ、オロロソシェリー樽で熟成したシェリー樽熟成などを定番商品に据える予定。
さらにオール十勝産を掲げ、十勝産大麦麦芽、十勝のワイナリーの赤ワイン樽を使い、十勝を代表する限定製品も予定している。
今、登録することで成長を一緒に見届ける
会員制サイト「十勝ウイスキー倶楽部」は洋酒ショッピングモール「SAKETRY」と連携し、試飲サービスを提供するサブスクを実施する。
3年後の製品化を前に「熟成前の原酒(300ml)」や「1年毎の熟成サンプリング(20ml)」(1年熟成、2年熟成)、そして最後に「3年熟成した会員限定ウイスキー(700ml)」が届くという。
ウイスキーとなるまで3年間の熟成期間をリアルタイムで楽しむことができるのだ。
この会員制サブスクは本日2024年6月21日より提供を開始する。
【コラム】北海道はウイスキー蒸留に最適なのか?
北海道では近年、蒸留所が増えてきている。
誰もが知る「余市蒸留所」はニッカウヰスキーの原点として輝く存在だが、たとえばスコットランド・アイラ島の伝統的製法でウイスキー造りを開始した「厚岸蒸留所」、日本酒の八海山で知られる八海醸造が設立した「ニセコ蒸留所」などが有名どころだろう。
直近でいうと2022年に蒸留を開始した「利尻蒸留所」や「馬追蒸留所」、函館では初めてのウイスキー蒸留所となる「ディ・トリッパー蒸留所」などが、それぞれの特徴を生かしたウイスキー造りを行なっている。
北海道に蒸留所が増える要因として挙げられるのは、本場スコットランドの気候や自然環境に似ていることだろう。ニッカウヰスキーの竹鶴政孝が1934年に大日本果汁株式会社を設立した背景も、そういった環境的な製造条件によるものだ。
また他にも、香りづけに必要なピートや、水源(雪解け水など)が豊富なことも適しているといえる。
ここに新たに加わる「十勝蒸留所」。特にどんな仕上がりになるのか楽しみなのは、ワイン産地として知られる十勝の赤ワイン樽での熟成だろう。
2025年の製造開始から3年後、製品化される2028年が楽しみである。
提供元・男の隠れ家デジタル
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