国内仕様GT/GT-Xどちらとも異なる内装

ハセガワ製のケンメリGT-Xをベースに、輸出仕様のダットサン240K GTを作ろうというこの企画、第3回目ではホイールの流用とシャシーの塗装・組み立てなどを行ったが、今回はインテリアのフィニッシュである。

実際の工程とその詳細については画像とキャプションをご覧いただくとして、ここではその補足という意味で実車のインテリアについて、海外仕様も含めて少々述べておこう。ケンメリの6気筒モデルには、基本のGTと、その豪華版であるGT-Xがあり、後期にはインジェクション仕様となってGT-E/GTX-Eに進化、後者にはSタイプなるものも追加されている。作例は前期なのでここで触れる内容はGT/GT-Xの違い、そして海外仕様での特徴をメインとしたい。海外仕様はモデル名の通り、どちらかと言えばGTの方に合わせた仕立てとなっていたようである。

前述の通りGT-Xは豪華版であるので細かな装備も充実しており、オーバーヘッドコンソールやカセットステレオが備わる(後者はGTにもオプション)のだが、模型として分かりやすい部分の違いとしては、パワーウィンドウがそのひとつに挙げられるだろう。GT-Xではパワーウィンドウが装備され、そのスイッチはセンターコンソールにある。一方GTでは手回しのレギュレーターがドアトリムに付いている。

シートのデザインは両グレード基本的には同じで、先代であるハコスカではパターンをGT-X:縦線/GT:横線という具合に変えていたが、ケンメリではそのようなこともない。ただし材質が違っており、GT-Xでは中央の横線パターン部分がトリコットで左右が発泡レザー(ビニールレザー)、GTでは中央部分も発泡レザーとなる。以上、装備やシート素材については、海外仕様は国内仕様のGTとおおむね同じのようだ。

GT/GT-Xの折衷となる最大の部分はステアリングホイール
内装色のバリエーションは、GTではブラック中心で、ボディカラーがブルーメタリックのときのみブルー内装。GT-Xでは同じくブルメタにブルー内装、シルバーとホワイトにはダークブラウン内装、グリーンにのみブラック内装であった。海外仕様は素材やカラーリングも国内仕様のGTと同じだったようで、インターネット上で確認できたものは、ブルメタのボディにブルー内装という個体がある以外全てブラックの内装だったが、残念ながら詳細は不明だ。

ダッシュボード周りは、メーターパネルやセンターコンソールに木目調のパネルが使用されており、これはGTもGT-Xも同じ。ステアリングホイールは、GTでは大きなセンターボスのついた革巻き(スポークは金属製の3本)、GT-Xでは上下が本木製・左右が革巻きの”部分革巻き”(スポーク部は樹脂製のT字型)だった。海外仕様ではこの両者の折衷的な仕立てで、金属製の3本スポークにウッドのリムと大きなセンターボスのついた、若干クラシカルな仕立てのステアリングホイールが装備されていた。

ケンメリ6気筒モデル前期型の国内仕様GT/GT-Xおよび海外仕様のインテリアについては、大体このようなところが、大きな差異である。Rではないケンメリのキットはこのハセガワ製も含めGT-Xが大半だが、以上の説明を念頭に、工作の詳細をご覧いただければ幸いだ。次回はいよいよ、ボディの塗装などである。

インテリアも雰囲気たっぷりに完成!ハセガワ製「ケンメリGT-X」にエンジン搭載、DATSUN化!第4回【CARSMEETモデルカー倶楽部】
(画像=『CARSMEET WEB』より 引用)

文・秦正史/提供元・CARSMEET WEB

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