カリタスは国際社会に責任を果たすよう訴えるだけでなく、一般の人々にも寄付を求めている。「飢餓のない世界は可能であり、小さな寄付でも大きな飢餓を解消する助けになる」と述べている。

なお、当方にはスーダン出身の友人がいる。彼とは長い付き合いだ。そういうこともあって、スーダン(南スーダンを含む)関連の情報には強い関心がある。スーダンから紛争や飢餓のニュースではなく、楽しく、喜ばしいニュースが流れてくる日を願っている(「”スーダンの春”はいつ到来するか」2013年10月5日参考)。

以下、南スーダンの「独立」から現在までの政情の流れを<参考資料>としてまとめた。

<独立から南スーダン内戦まで>(2011年~2013年) 独立(2011年7月9日):住民投票の結果、南スーダンはスーダンから独立を果たした。サルバ・キール・マヤルディ氏が初代大統領に就任した。独立直後から、南スーダンは経済基盤の弱さ、インフラの欠如、教育や医療の整備不足などの課題に直面した。そしてサルバ・キール大統領とリヤク・マチャル副大統領間で政治的緊張が高まり、キール大統領は2013年7月、マチャル副大統領を解任した。

<南スーダン内戦>(2013年~2018年) 内戦の勃発(2013年12月):キール大統領とマチャル前副大統領の支持者間で2013年12月に武力衝突が発生し、内戦に発展した。内戦は民族間の対立(主にディンカ族とヌエル族)も含む。内戦により数万人が死亡し、数百万人が難民や国内避難民となった。2015年には和平合意が結ばれたが、度々破られた(「駐独の南スーダン大使に聞く」2016年2月25日参考)。

<平和への歩み>(2018年~現在) 新たな和平合意(2018年):キール大統領とマチャル前副大統領は2018年9月、再度和平合意に署名した。この合意により、マチャル氏は再び副大統領に任命された。2020年2月には移行政府が設立された。これは和平プロセスの一環であり、全ての主要な反政府勢力が参加した。和平プロセスは進展しているが、不安定な地域が多く、武装集団間の衝突や人道危機が続いている。インフラ整備や経済再建、民族間の和解など多くの課題が残っている。

編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2024年6月25日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。