みなさんこんにちは。歴旅ライターまえてぃーです。
今回ご紹介したい場所は長崎にある「グラバー園」です。鎖国を経て、開国への道を歩みだした日本。外国と交流をするために長崎港を開港した後、来日したトマス・グラバー等西洋人の旧邸があった敷地に、長崎市内に残っていた歴史的建造物を移築し誕生したのがこのグラバー園です。
そう、つまり外国人が昔たくさん住んでいた場所を体験できるよ!という場所です。今回はこの「グラバー園」をみなさんにご紹介します!園内には多くの邸宅が点在しており、当時の外国人商人たちが暮らす邸宅の様子を知ることができます。その様子はここが日本であることを忘れてしまいそうで、野外博物館としても知られています。
グラバー園へのアクセス
・所在地:長崎県長崎市南山手町8-1
・TEL:095-822-8223(グラバー園)
・定休日:無し
・料金:大人610円、高校生300円、小・中学生180円
・交通:路面電車「大浦天主堂」から徒歩約7分
・九州横断自動車道長崎大分線 長崎ICから約10分
・駐車場:無し
・公式サイト:グラバー園
グラバー園の歴史
1858年、江戸幕府とアメリカ、オランダ、ロシア、イギリス、フランスの5ヵ国の間には修好通商条約が結ばれ、開国と共に、日本は諸外国との交流をはじめました。そんな中、多くの外国人商人が長崎に集まり、開港都市となった長崎には「居留地」と呼ばれる外国人が住む地域が誕生しました。
長崎港を見渡すことができるこの場所からは、海を行き交う船が見渡せ、外国人商人たちはこの場所で毎日を過ごしていました。開国という日本の大きな歴史の節目において、グラバー園では当時の歴史と文化に触れることができます。
園内にはマップがありますが、その広大な敷地に驚くでしょう。旧リンガー邸や旧オルト邸、そして旧グラバー邸など伝統的建造物が保存され、美しく整備された遊歩道等にはまるで植物園のような居心地になると思います。
グラバー園の入り口。おとぎの国へ招待されそうなエントランスです。
入り口からすぐ階段??と焦らなくても大丈夫。しっかりとエスカレーターが完備されています。
園内マップを見てどう回るか考えるだけでワクワクします。
園内はとても美しく整備されており、気持ちよく歩くことができます。
この景色、外国人商人たちもお気に入りだったに違いありません!
旧グラバー邸
さて、園内の中でも必ずと言っていいほどじっくりと見て回っていただきたいのが、「旧グラバー邸」です。旧グラバー邸は1863年に建設された、現存する「日本最古」の木造洋館なんです。
古い木造建築は、日本には結構あると思いますが、木造の洋館となるとなかなかお目にかかれない建物であり、その中に入ることもできるので。これだけでもとっても興味がそそられます!
そんな旧グラバー邸の主「トマス・グラバー」について少し捕捉しますと、彼は日本の近代化に貢献したイギリス人で、長崎で貿易会社グラバー商会を立ち上げました。
グラバー邸は出口に近いところにあり、まさに最後の楽しみという感じでしょうか。
こちらがトマス・グラバーです。
生糸等の輸出、蒸気船・軍艦及び武器等を輸入する一方、日本でなんとはじめて蒸気機関を導入した近代的な修船施設の建設などを行う等、幕末から明治期における我が国の急速な近代化に大きく貢献しました。
日本人ではないグラバーがどうして日本のために貢献しようと思ったのか、、、とても興味がそそられます。旧グラバー邸内は博物館のようになっており、当時の生活やグラバーに関することはもちろん、当時の日本の経済や産業の様子についても知ることができますよ。
こちらが旧グラバー邸の外観です!とってもカッコいい風貌ですよね。
邸宅の建築に関する説明も見落とさないようにしましょう!
またこちらの建物は、2015年に世界文化遺産に登録された「明治日本の産業革命遺産」の構成資産でもあります。
食事をしたり
休んだり
知人が集う部屋もありました
日本人の海外留学まで支援していたそうな!
いつか暮らしてみたい。そんな風にさえ思える邸宅でした。
長崎からキリンビールが誕生!?
また、なんと!トマス・グラバーは今では日本中に愛されているビールの「キリンビール」発売の功労者でもあります。どういうことかというと、キリンビールのラベルには東洋の霊獣が描かれた「麒麟」が採用されていますが、それを提案したのが、なんとこのグラバーなんです。
まえてぃーは飲酒ができるようになってから、キリンラガー一筋だったのですが、このことを全く知らず恥ずかしい!!となってしまいました。 約30年近く日本で生活をしていたグラバーは、日本人の好みや生活習慣を熟知していたのでしょう。だからこそ日本人の口に合うビールの誕生にも貢献できたのだと考えられています。
グラバー園には「グラバーカフェ」があり、キリン一番搾りはもちろん、日本で初めて大量生産を開始した飲料水、BANZAIブランドの「バンザイサイダー」等を味わうことができますよ。ぜひ当時の長崎に思いを馳せて楽しんでみてください。
グラバー邸にお邪魔した後は「グラバーに乾杯!」としてみたいですね!
なんと〇〇料理も発祥の地!!
さいごに、みなさんの好きなご飯は何ですか?突然なに?と思われそうですが、なんとここは西洋料理、つまり"洋食"が発祥した場所なんです!西洋料理のはじまりは、出島のオランダ人屋敷でコック見習いとして修業していた丈吉が、1863年に開いた西洋料理店「良林亭」、後に「自由亭」であるとされ、それを引き継いでいる場所が、このグラバー園に「自由亭喫茶室」として存在しているのです。
コーヒー、そして名物カステラはもちろん、ビーフシチューやカレーなど、長崎洋食を感じるメニューも多く、まさに当時にタイムスリップしたかのような体験ができます。長崎と言えばトルコライスのような洋食が有名とは知っていましたが、まえてぃーはただ外国人が多かったからだとばかり思っていました。まさか日本においての発祥とは。。。オムライスを食べる目が変わりそうです。
「自由亭喫茶室」の横には「草野丈吉」の胸像もしっかりとあります。
実は隠れ映えスポットです!
春夏秋冬、いつに訪れても鎖国から開国をした明るい情景と出会えるこの「グラバー園」に、みなさんぜひ行ってみてくださいね!!
【文・写真 まえてぃー/提供元・たびこふれ】
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