黒田剛監督 写真:Getty Images

 町田ゼルビアは今月22日に行われた明治安田J1リーグ第19節で、アビスパ福岡に0-0と引き分け。天皇杯2回戦(対筑波大学)における黒田剛監督のラフプレー、マナー批判コメントが物議を醸す中、町田がJ1で優勝する可能性を巡って議論が白熱。鹿島アントラーズOBの内田篤人氏と、東京ヴェルディ、FC東京OBである大久保嘉人氏の間で意見が割れている。

 プレー強度の高さやロングスロー、ロングボールなどを武器に、J1の舞台でも好調を維持している町田。黒田監督の徹底して勝負に拘る姿勢が浸透していることもあり、J1第19節終了時点で12勝3分4敗と、2位の鹿島アントラーズに勝ち点2差をつけている。

 シーズン前半戦を首位で終えた町田だが、福岡戦のようにポゼッション率が50%を超える試合で苦戦を強いられるなど、縦に速いプレースタイルを志向しているチームならではの弱点も浮き彫りになっている。

 内田氏はインターネット動画配信サービス『DAZN』で今月13日公開の「内田篤人のフットボール・タイム」に出演した際、町田の課題について「町田は追われる立場になったら、本当に難しいということを今後分かっていくと思う。その中でJ1優勝したら凄い。追う立場と追われる立場は、優勝争いに絡んできたら全然違う」と指摘。

 「オ・セフンなど前線にデカい選手がいて、そこでポイントを作って自分たちが押し上げていく。ポゼッションをしないで効率よくゴールを奪うという形でハマっているし、そのスタイルに合った選手を獲得している」と、同クラブのプレースタイルを分析していただけに、韓国代表FWオ・セフンやオーストラリア代表FWミッチェル・デュークの負傷離脱が今後の戦いに影響を与えそうだ。

 一方、大久保氏は『DAZN』で今月24日公開の「やべっちスタジアム」に出演した際、MCの矢部浩之さんから町田の今後について訊かれると、「(町田のシーズン後半戦が)楽しみですね。前半戦がものすごく良かったので。他のクラブが対策をしてくると思うんですけど、その対策を跳ねのけそうな感じがします。勢いが凄いですね」と私見を披露。

 矢部さんが「ネガティブな情報も跳ね返している感じがしますね」と私見を述べると、大久保氏は「そうですね。見ていて面白いし、優勝争いするんじゃないかなとワクワクしています」と、内田氏とは対照的にJ1優勝の可能性に期待を寄せている。