日本代表DF毎熊晟矢は今月21日、セレッソ大阪からオランダ1部AZアルクマールへの完全移籍が正式決定。DF菅原由勢に替わるサイドバックとして期待される一方、菅原との比較で課題も浮き彫りになっているという。
AZの専門サイト『AZ Alerts』は23日、毎熊に関する特集記事を掲載。攻守両面から、同選手と菅原の違いを以下のように分析している。
「毎熊は今季、J1リーグ15試合の出場で1アシストしかマークしておらず、得点はない。30試合で7アシスト4ゴールをマークした菅原とは大きな違いだ。さらに他のオフェンスデータを見てみると、ビッグチャンスを作った回数は菅原の方がはるかに多い。また、ロングボールの本数(3.4本対2.2本)、90分あたりのクロスの本数(1.8本対0.3本)も、菅原は毎熊を大きく上回っている」
「一方、守備面では菅原よりも毎熊の方が優れていると考えられる。菅原の守備は定期的に批判の対象となっていた。ただ、それでもAZは盤石のディフェンダーを獲得したわけではない。守備面で菅原よりはマシとはいえ、日本では平均以上の守備力を示していない。空中戦の勝率は約47%、地上戦の勝率は54.5%にとどまっている。平均身長が172cmしかない日本でこのデータだ。したがって、毎熊の最大の課題のひとつはフィジカルだろう」
V・ファーレン長崎時代に、サイドバックへポジション転向した毎熊。2022年に長崎からC大阪へ完全移籍すると、C大阪でも主力選手として活躍。Jリーグ屈指のサイドバックとして結果を残すと、昨年9月の国際親善試合トルコ戦で1アシストと、鮮烈な日本代表デビューを飾っていた。
そして今年1,2月開催のAFCアジアカップでは、菅原が守備面で不安定なパフォーマンスを露呈すると、グループステージ最終節インドネシア戦以降は全試合でスタメン出場。ただ、今季序盤にリーグ戦で精彩を欠いていただけに、今年3月以降は森保ジャパンに招集されていない。森保ジャパン復帰に向けて、まずは新天地でフィジカル面の課題を克服したいところだ。