インターネット上には奇妙な存在との遭遇譚があふれているが、その多くはエイリアンや幽霊といった既存の概念の中で語られる。だがその中には時々、これまで知られていなかったような全く新しい“怪物”が語られていることもある。近年欧米を中心に話題になっている「棒人間(Black Stick Man)」は、そんな新しい怪物の一つである。

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(画像=イメージ画像 Created with DALL·E,『TOCANA』より 引用)

 オカルトサイト「Mysterious Universe」によると、棒人間が噂になり始めたのは2000年代のことだという。インターネット上に、「黒くて棒のように細長い姿をした、得体の知れない存在を見た」というような話が、ぽつりぽつりと投稿され始めたのだ。

 これまでの証言をまとめると、棒人間は非常に背が高いが、その体は信じられないほど細く厚みもなく、文字通り棒のような人間型の存在だという。非常に見えづらくて異様に目が疲れた、角度によっては見えない、形が3次元的になったり2次元的になったりするといった目撃証言があるが、子どもをさらうスレンダーマンのように敵意や悪意を感じたという者はほとんどいない。彼らは静かに忍び寄るが、人間に気づかれると空気に溶けるように逃げてしまうのだという。

■背後で踊る棒人間

 最も古いと思われる棒人間の目撃は1978年にイギリスのケントで報告されている。

 夜遅く、屋外の草原に座って話し込んでいた10人ほどのグループが棒人間と遭遇したのだ。それは帽子をかぶった背の高い、そしてとても薄い姿をしており、彼らの背後で踊っていたという。不気味に思ってその場を離れると、彼らが座り込んでいたあたりを囲むように円が描かれていたという。やがて雨が降ってきて家に戻ったが、帰る直前、振り返ると森の方へと歩いていく棒人間が見えたそうだ。

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(画像=イメージ画像 Created with DALL·E,『TOCANA』より 引用)

■帰宅途中に出会ったのは……

 ウェブサイト「Listverse」の「現代の奇妙な超常現象トップ10」という記事のコメント欄に、かつて棒人間と遭遇したという「Simon Howes」が自らの体験談を書き込んでいる。

 それは1982年、イギリス東部エセックスのブレントウッドの病院の敷地内での出来事だった。目撃者は当時看護学生で、夜遅くの帰宅中、道路を横切る棒人間に出くわしたのだ。棒人間は見られていることに気づくとすぐに草むらへと消えたという。非常に背が高く、服は着ておらず全身真っ黒、細い手足に楕円形の頭をしていて、電灯に照らされていても顔は全く見えなかったそうだ。

■棒人間は死神?

 基本的に見つかっても逃げるだけの棒人間だが、中には足を引っかかれたという話や、友人を死に追いやられたという恐ろしい証言も存在する。

 米カリフォルニア州で育った「Amalthea」は、子どもの頃から棒人間を目撃していたという。棒人間は散歩のとき後ろからついてきたり、ソファの後ろから覗き込んできたりしたという。大きさはまちまちで、成人男性くらいのときもあれば猫ぐらいのサイズのこともあったというが、それは複数の棒人間がいたのではなく、単一の存在が姿を変えているという感覚があったという。目撃者は棒人間を恐れており、周囲の人々には話す事ができなかったという。だがある日、近所に住む親友に棒人間について話すことができた。するとその友人も棒人間を見ていたことがわかったのだ。

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(画像=By LuxAmber – Own work, CC BY-SA 4.0, Link,『TOCANA』より 引用)

 それからもずっと棒人間は背後にいたというが、目撃者が高校生のときに突然姿を消して、それ以降一度も見ていないという。棒人間が姿を消したのは例の親友が遺伝的な心臓疾患で急死した直後だった。以来、この目撃者は棒人間が死神だったと信じている。

 インターネット上にはこの他にも多くの棒人間の目撃証言が存在する。スレンダーマンやシャドーピープルなど、近年になって登場した都市伝説は数多いが、棒人間もそのうちの一つとして、最近ではますます存在感を増しているように感じられる。棒人間を目撃した方は、ぜひトカナにご一報を!

参考:「Mysterious Universe」「Listverse」「S.P.R.I.T」ほか

※当記事は2019年の記事を再編集して掲載しています。

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提供元・TOCANA

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