プロ野球・北海道日本ハムファイターズのエスコンフィールド北海道(北広島市)移転により、巨額の赤字を計上している札幌ドーム。今月23日に北海道コンサドーレ札幌のホームゲーム(明治安田J1リーグ第19節の横浜F・マリノス戦)を控える中、2024年度3月期決算で純損益が6億5000万円にのぼると報じられているが、札幌市議会議員の成田祐樹氏は実質の赤字額が5億円未満だと主張している。
サッカー公式戦、高校野球などアマチュアスポーツの試合等を開催しているものの、稼働日数が減少している札幌ドーム。今年1月の時点では年間3億円規模の赤字が見込まれていた。しかし、札幌市と道内財界各社が第三セクター方式で出資する『株式会社札幌ドーム』は今月21日開催の株主総会で、赤字額が過去最悪の6億5000万円であることを報告。一部報道によると、同社の山川広行代表取締役社長は「平日にプロ野球をやれたらいいが、やらせてくれない」と語ったという。
「6億5000万円の赤字」という報道が先行する中、成田議員は21日にXを更新。株式会社札幌ドームの損益計算書を掲載した上で、「稼働率からして昨期は▲4億円台と思っていたのに、なぜ▲6.5億??と思ったら2億円減損処理してたのか。償却する資産無いやろと思ってた」と投稿。
同社の赤字額が「実質4.5億円」だと主張した上で、「今期の稼働見込みが+25日との事で2億円位は収支改善するとして、残り▲2.5億円か。ネーミングライツと広告を取ってこれるかどうか」と、赤字補填に向けての見通しを示している。
なお、札幌ドームは赤字補填を目的に、今年1月9日から2度目となる命名権の公募を実施。しかし年間2億5000万円以上で2~4年間という強気の条件設定もあり、公募期限の2月29日17時までに正式な申し込みはゼロ。公募期間が延長されたとはいえ、今もなお命名権の申し込みはない。
減収対策として10億円を投入して2万人規模のコンサート開催が可能な「新モード」も不発である札幌ドーム。コンサドーレのホームゲームにおける観客数も1万人台と振るわず、以前から収支改善への見通しの甘さが指摘されているだけに、成田議員の投稿内容に対する疑問や批判も相次いでいる。