荒野拓馬 写真:Getty Images

 J1最下位と今季ここまで苦戦を強いられている北海道コンサドーレ札幌。今月22日に第19節の横浜F・マリノス戦を控える中、DF大﨑玲央を獲得した一方、キャプテンであるMF荒野拓馬への批判がネット上で見受けられる。この荒野への批判について、札幌下部組織出身である元日本代表DF西大伍が私見を述べた。

 札幌一筋のキャリアを歩む荒野は、今季からMF宮澤裕樹にかわってキャプテンに。しかし、クラブがJ1残留争いを強いられていることもあり、同選手に対する厳しい声は止まない。くわえて、今月9日開催のYBCルヴァンカップ・プレーオフラウンド第2戦(対カターレ富山)では、後半アディショナルタイムに富山所属MFガブリエル・エンリケへ肘打ちをしたのではと物議を醸しているほか、直後の舌出し行為が挑発に当たるとして非難を浴びていた。

 西は今月21日に自身のYouTubeチャンネルを更新。「元々、彼は試合に入ったら勝ちたいという気持ちが、ダーティーな感じに出てくるところがある。普段はすごく良いヤツで、試合に入った時にそういう部分が出るだけ」と、荒野の性格や振る舞いについて説明した上で、「キャプテン的な行動をしないとダメっていうわけではない。荒野がキャプテンであるチームとしては、勝つならばちょっとダーティーなプレーも厭わないというように、皆がついていくべき」と古巣に提言している。

 また、一部の札幌サポーターが荒野を批判している可能性にも言及。「結果が出ていないからだけであって。今年、裕樹がキャプテンをやっていたとしても、そんなに良い結果だったとは限らない。そこまで変えられるキャプテンはなかなかいない。何かのせいにしたいという気持ちは分かる」と、批判の理由を推察すると、荒野がキャプテンに就任するまでの過程を以下のように説明した。

 「キャプテンは別にひとりがやりたいと言ってなったわけではない。2022年の時点で、裕樹はキャプテンを移行したいという気持ちをずっと持っていて、拓馬もやりたいという気持ちがあった。今になって(拓馬にキャプテンを)やらせるというのは、ある意味かわいそうというか。なかなか結果が出ないタイミングがかな去ったというのもあるけど。その辺りを考えつつ、移行をうまくしないと、荒野に対してかわいそうだなと」

 元チームメイトとして、荒野を擁護した西。「あいつにとっては成長のチャンス」と同選手に期待を寄せたほか、「彼を育てるために厳しいことを言っても良いと思う。もう少し今後を見据えながら見てあげたら良いかな」とサポーターに対して呼びかけている。