氷結路も安心! 人気の最新BEVの総合性能をチェック
EX30は、日本でも販売がスタートしたBEV。ボルボ初の電気自動車専用骨格を持つ。このモデルを、母国スウェーデンの完全結氷した広大な湖でテストドライブした。
厳しい条件下でEX30はどのような印象をもたらしてくれたのか。日本上陸を控えたハイパフォーマンスモデル、「ツインモーター・パフォーマンス」の感想も交えてお伝えしよう。
まず乗り込んだのは、日本でドライブ経験のある「シングルモーター・エクステンデッドレンジ」。名称が示す通り、本国で2グレード用意される2WDバージョンのうち、大容量バッテリーを搭載したモデルだ。日本仕様の一充電走行距離は560kmを誇る。
ちなみに、前出“ツインモーター”はシングルモーターと同じ69kWhバッテリーを搭載し、前輪側にもモーターを加えた4WD。トータル出力はシングルモーターの200kWに対して315kWと圧倒的にパワフルで、0→100km/h加速データは5.3秒に対して3.6秒と一級スポーツカー級の速さをマークする。ツインモーターはEX30のトップグレードという位置づけだ。
テスト車のタイヤは、日本では禁止されて久しいものの、この地ではまだ使用が許されるスパイク仕様(ミシュランX-ICE North4:245/45R20)。高いグリップ力を発生することもあって、2輪駆動ながら発進はさほど気をつかわなくてもOK。加えて、モーター駆動ゆえ緻密な制御が行われるトラクションコントロールの絶妙な介入もあって、そのままアクセルONを続けていれば思いのほかスムーズに速度が高まっていく。
もっとも、ツインモーターに乗り換えるとやはり4WDの威力を痛感させられた。圧倒的に素早く加速するのに加えてその際の安定度も抜群。氷上なのにあたかもちょっとしたウエット路面をドライブする程度の緊張感で走れてしまう。この走りはまさに脱帽だ。
シングルモーターのモデルでもコーナー半ばから徐々にアクセルを踏み込んでいけるのは、駆動輪が後輪であるため顕著なアンダーステアが発生しないから。一方、ツインモーターではよりイージーに積極的なアクセルONを許容してくれる。コーナリングシーンでも一段と挙動が穏やかでニュートラルステアの感覚をより幅広い範囲で提供してくれるからである。
EX30は、日本で乗った際の乗りやすさが、シビアなコンディションではより際立って感じられた、2030年までの完全ピュアEV化を宣言しているボルボの最新モデル、EX30の実力は驚くほど高い。
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提供元・CAR and DRIVER
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