「海象」と書いてこれを「セイウチ」と読むという。これは漢字の読み方に関係なく意味だけで特定のものの名称を付随させられたいわゆる熟字訓(当て字)と呼ばれるものだ。おそらく、セイウチの巨大な牙が象牙のように見えることから象の字が当てられたものだろう。

 あえて直訳すれば「シーエレファント」とでも言えるが、シーエレファントという呼び名になるとUMAでもお馴染み「グロブスター」の別称としても知られている。グロブスターと言えば、海岸に漂着する巨大な肉塊であり、世界各地の海岸で撮影や記録が残されているという謎の存在だ。

 動物学者アイヴァン・サンダーソンによって「グロテスク・ブロブ・モンスター」(グロテスクな肉の塊の意)と名付けられたその肉塊は、日本でも奄美大島で漂着事例が確認されており、その正体についてはサメなどの海中に棲息する何らかの巨大な生物の死骸、海中で死亡したクジラの体から分離した脂肪の塊、などさまざまな説が唱えられている。

 グロブスターがシーエレファントとも呼ばれるのは、そのサイズが象並であるといった理由によるものであるという。しかし、たとえとして名付けられたにすぎない「シーエレファント」という名前が、そっくりそのまま通用するであろうなんとも奇妙な出来事があったという話があるのだ。

“テレポートアニマル”!?漁の網にかかった「象」の謎…北海にまつわる不思議な話
(画像=イメージ画像 Created with DALL·E,『TOCANA』より 引用)

 1963年11月のこと。イギリスのトロール漁船スコット号が北海のアイスランド付近で漁を行なっていた際、何やら黒く巨大な物体が海中の網にかかっているのを船員が発見した。長年勤めてきた船長も初めてのことに驚きを隠せず、船員たちも不気味がった。用心して引き揚げろという船長の指示によって網が引き揚げられると、突然白い牙らしきものがにゅうっと海面に突き出てきた。そして、ついに引き揚げられたその網の中にいたものは、驚くべきことに体重5トンを超える象の死体だったのである。

 北海で象を釣り上げたという一報は瞬く間に広がり、スコット号の帰港後には多くの新聞記者や動物学者が集結した。それによると、この象は死後それほど時間が経過しておらず、肉体に腐食も見られないということであったのだが、最も疑問であったのは「なぜ北海に象がいたのか」ということであった。

 象は泳ぎが可能であるということから、「どこかの動物園から逃げ出した象が溺れ死んでしまったのではないか」という意見がなされたものの、象が逃げ出したという動物園やサーカス団などの報告も一切確認されていなかったため、とうとう象が海で溺れ死んでいた理由はわからなかったという。

 UMAのカテゴリーの一つとして、本来その場所に棲息するはずのない動物が目撃されるケースを「テレポートアニマル」と呼ぶが、この北海の象もテレポートアニマルであったのだろうか。なんとも奇妙な話である。

【本記事は「ミステリーニュースステーション・ATLAS(アトラス)」からの提供です】

文=ナオキ・コムロ(ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

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提供元・TOCANA

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