ソフトバンクは6月17日、生成AIを活用した検索エンジンを提供するアメリカのAI企業・Perplexity(パープレキシティ)と戦略的提携を行うことを発表。
同日、お笑い芸人のカズレーザーさんとヒコロヒーさんをゲストに迎えてデモンストレーションが行われました。
■ 「すべての方々にAIの恩恵を」ソフトバンクが事業提携に込める狙い
はじめにソフトバンク株式会社 専務執行役員 コンシューマ事業推進統括の寺尾洋幸さんが登壇。Perplexityとの提携の背景と狙いについてプレゼンテーションしました。

寺尾さんはソフトバンクの経営理念「情報革命で人々を幸せにする」を挙げ、「情報革命によってさまざまな進化を、より多くのお客様に広げるということをやってきた」とコメント。検索エンジン「Yahoo!」や「iPhone発売」など、大きなムーブメントを起こしてきた数々の取り組みを振り返りながら、現在はAIの急速な進化、普及によって「さまざまなお客様のシーンが大きく変わる時代に来ている」と強調します。


「ソフトバンクとして『AI革命』をリードし、すべての方々にAIの価値や素晴らしさを届けたい」と寺尾さん。現在は分散型AIデータセンターや純国産LLM(大規模学習モデル)など、AIの日本語対応を進めるべく技術基盤の開発に力を入れているほか、カスタマーサービスのAI化に向けた準備も進めているとのことです。

寺尾さんは今回の提携の狙いについて、「心地よいユーザー体験を提供すること」と説明。「『プロンプトエンジニアリング(AIへの命令文を組み立てる技術)』などの難しい話も多いが、これらを噛み砕いてお客様にわかりやすくお届けし、すべての方々がAIの恩恵を享受できる環境を作っていきたい」と語りました。

■ 「誰かが代わりにブラウズしたような」意図を汲み取った検索結果を“ソース付き“で表示
続いて、今回の提携先であるPerplexity CEO and Co-FounderのAravind Srinivasさんが登壇。生成AIを活用した検索エンジンというアプローチに込める狙いについて語りました。

「この20年近く、質問に対する答えを得るには『関連サイトのリンクを見る』しかありませんでしたが、Perplexityではこれに代わる新たな概念として『アンサーエンジン』という概念を提唱します。会話形式で質問すると、誰かがみなさんの代わりにブラウズしたかのように、意図を汲み取った検索結果が得られるのです」(Aravindさん)


生成系AIのサービスでは誤った情報が案内される問題も取り沙汰されていますが、Perplexityでは正確性を最優先し、もっとも適した情報を表示する仕組みになっているとのこと。検索結果には根拠となった情報ソースの一覧もあわせて表示され、自分に適した内容かどうかチェックできるようになっていると言います。


「質問してすぐに答えが得られる環境を作ることで、他のタスクに集中できるようになり、さらに好奇心を持って人生を過ごせるようになるでしょう」とAravindさん。「コンビニエンスストアが『コンビニ』と呼ばれるように、Perplexityも『パープレ』と呼ばれるくらいの身近な存在になれたら」と、思いを込めていました。

