みなさん、こんにちわ。番組DJでモータージャーナリストの高橋アキラです。今回、番組にポルシェが久しぶりに登場しました。ザ・モーターウィークリーは1975年に始まり、FMヨコハマでは2011年から放送していますが、FMヨコハマになってからポルシェは初登場です。
しかも今回試乗テストドライブしたのはポルシェのバッテリーEVのタイカン4Sです。そう電気自動車のポルシェです。
ポルシェは誰もが知るスポーツカーブランドですが、EVとなってもスポーツカーなのか?ポルシェなのか?という疑問を持つ人も多いことでしょう。
Taycanは2019年9月に中国、北米、英国の3か所でワールドプレミアが行なわれ「EVでもポルシェ」であると発表されました。
すでに5年も経っているんですね。気づけばラインアップも充実。
エントリーモデルのTaycanはリヤ駆動のEVで、AWDのタイカンS4、タイカン・ターボ、タイカン・ターボS、そしてタイカン・ターボGTというヒエラルキーで、サーキット走行に特化し、リヤシートがないタイカン・ターボGT withヴァイザッハ・パッケージまでラインアップしています。
さらにタイカンの派生モデル「タイカン4クロス・ツーリズモ」も出力違いで3モデルラインアップする充実ぶりなんです。
試乗車は下から2番目のタイカン4Sで、380kW/517psですが、ローンチコントロール時オーバーブーストでは440kW/598ps、710Nmという強烈なパワー&トルクを持っています。0-100km/h加速は3.7秒、トップスピードは250km/hというスペックで、前後に駆動モーターを搭載するAWDです。
ポルシェのイメージは後ろ姿にインパクトがあり、見掛ける写真も後ろ姿が多いですね。女性を思い浮かべたあなた!ユーモアに溢れ機能美を持つデザイン力に魅了されたのでしょう。張り出したリヤフェンダーの大きさと小さなルーフはポルシェ独自のデザインが活かされています。
パナメーラには4本のテールパイプがありパワフルな印象を与えますが、タイカンにパイプはありません。それでもこれだけのステータスを感じるのはポルシェだからでしょう。
サイドビューではやはりルーフラインに目がいきます。ポルシェ・フライ・ラインというなだらかなシルエットは流れる空気が見えてきそうです。
コックピットは綺麗に液晶パネルに収め、フィジカル・スイッチはステアリングにまとめられ、シンプルでクリーンなインテリアです。近年のデザイン傾向はこうしたシンプルで整然としたデザインの流れがあり、クルマだけにとどまらずクリーンなアイテムが増えました。ちなみに本革は使わなくなり、サスティナブル素材を積極的に使用しています。
後席は大人が長時間移動ができるキャビンスペースになっているのもタイカンの特徴です。大容量バッテリーをフロアに搭載しながら、後席足元にはバッテリーを置かないフットガレージがあり、ゆったりと座れます。
その大人なキャビンスペースと強烈なパワートレインを支えるサスペンションも素晴らしく、ポルシェらしい走りが楽しめます。
これは、PASM(ポルシェ・アクティブ・サスペンション・マネージメント)というアダプティブ・エアサスペンションが成せる技で、電子制御ダンパーは無段階に減衰調整され3 Active Air Suspensionとポルシェ・トルクベクタリング・プラス、そして電子制御スタビライザーによるPDCCスポーツ(Porsch Dynamic chassis Control )がポルシェ・タイカンの走りを形作っています
またドライブモードによって、その乗り心地も変化します。ノーマルではあらゆる路面でタイヤ&ホイール、サスペンションが振動を吸収しフラットライドな姿勢が維持されます。スポーツ+にすると同じ場所でも路面の凸凹のインフォメーションをドライバーに伝え、路面コンディションが手に取るように理解できるのです。
だから旋回の気持ちよさは他に類を見ない快感が全身を駆け巡り、直進はどっしりと落ち着き、大地をしっかりつかむ感覚はポルシェならではの魅力です。そしてEVならではの間髪入れずにレスポンスするトルク、操舵初期からビシビシとボディは応答し、リヤのヨー、そしてコーナー出口からの加速が脳髄を刺激しまくるわけです。だから、時に体内で警鐘が響く時もあるというのは、理解できるのではないでしょうか。
もはやパワートレインがモーターかエンジンか議論は影をひそめ、超絶技巧のポルシェらしさに卒倒し、モーターでありながらドライバーには意思のある走行音が体内に鳴り響くのです。
さらに、スポーツカーのブレーキのベンチマークはポルシェだと言われますが、このタイカンはブレーキのほとんどが回生ブレーキなんです。ポルシェが参戦しているフォーミュラEでは、すでにリヤブレーキは搭載していません。タイカンの回生ブレーキのエネルギー量は不明ですが400kW前後の回生はあると想像します。つまり一般人の急ブレーキレベルであれば、回生ブレーキだけで減速できます。もちろん、タイカンには摩擦ブレーキを前後に搭載していて補助的に作動します。回生ブレーキが中心とはいえ、ブレーキペダルから伝わるフィールは通常のブレーキタッチで言われなければ気づかないでしょう。
いかがでしょうか?EVとなってもスポーツカーなのか?ポルシェなのか?という疑問は杞憂であると思っていただければ。とモータージャーナリストの高橋アキラは思うのです。
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