ソフトバンク株式会社は6月17日(月)、生成AIを活用した検索エンジンを提供するアメリカ合衆国のスタートアップ企業Perplexityと戦略的提携を行うことを発表しました。
「ソフトバンク」「ワイモバイル」「LINEMO」のユーザーであれば、同社が提供する生成AI検索エンジン「Perplexity」の有料版「Perplexity Pro」が通常は月額2,950円/年額29,500円のところ、1年間無料で利用可能になるキャンペーンも実施。6月19日(水)から申し込みを開始しました。
生成AI系検索エンジン「Perplexity」とは?
「Perplexity」は、ウェブブラウザーやアプリで使用可能なAI検索エンジンです。最大の特徴は、質問を入力すると、インターネットの最新情報をもとに回答してくれること。回答には、根拠となる情報源も合わせて表示されるため、精度の高い情報を短時間で得ることができるとうたっています。
従来のWeb検索では、キーワードを入力すると、まず関連するリンクが表示されます。必要とする情報を得るためには、そこから自分でリンクをクリックして確認する手間がありました。
その点、「Perplexity」では、膨大な情報のなかから、AIが選択した情報がひとつのページにまとめて表示されるので情報収集の時間短縮につながるといわれています。
今回、ソフトバンクが1年間の無料キャンペーンを行う「Perplexity」の有償サービス版「Perplexity Pro」では、大規模言語モデル(GPT-4o・claude 3・Llama3など)を任意で選択可能。これにより、さらに高精度の回答を得られるそうです。
また、画像や動画とあわせて表示されることで、視覚的にわかりやすく、追加情報にもより簡単にアクセスできるようにしているほか、1つではなく複数の情報源を参照して回答を作成。ユーザーは検索範囲の指定もできるので、検索のクオリティーが高まるといいます。
戦略的提携の背景
この度、株式会社ソフトバンクがPerplexityと戦略的提携した狙いのひとつには、「AIを活用したサービスにおける先進的事例になること」があるといいます。
6月17日(月)にメディア向けに行われた発表会では、株式会社ソフトバンクの専務執行役員でコンシューマー事業推進統括の寺尾洋幸氏は「幅広いユーザーに『Perplexity』を利用してもらい、AIのもたらすベネフィットを実感してもらいたい。無料提供の1年間で『Perplexity』の良さを十分にユーザーに実感してもらえるはず」と、サービスへの自信をのぞかせました。
同日は、PerplexityのCEO兼Co-Founderのアラビンド・スリニバス氏も登壇。「Perplexity」の検索作業の効率について「従来の検索エンジンが自動車だとしたら、『Perplexity』は新幹線」と説明。インターネット上のさまざまな方法から最速で高精度な情報を収集できることを強調しました。
なお、ソフトバンク株式会社の子会社SB Intuitions株式会社は、6月14日(金)に独自の日本語LLMを構築したと発表していますが、「Perplexity」への採用については未定で、今後協議を重ねていくとのこと。法人向けサービスの提供についても、現段階では未定だそうです。