私は思うに、海外留学の学歴にはけっこう粉飾が多いのである。というのは、ひとつには、翻訳の妙でいろいろ粉飾できるし、さらに、日本国内だと中退か卒業しかないが、海外の大学については、完全に卒業資格をとらないまま学業を終えること多いし、また、卒業ではないが、何らかの証書は獲得していることもある。
たとえば、小泉元首相はロンドン大学に留学したことになっているが、正式の学生ではなかったのではないかとも言われている。ロンドン大学政治経済学部留学”とあるが、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(University College London)に政治経済学部はなく、ロンドン大学群にはいくつかのカレッジがあり、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(ロンドン大学群)の経済学部に1年足らず聴講生のような形で語学留学していたのでないかといわれる。
あるいは、たとえば宮内庁のホームページでは、天皇陛下は、「昭和57年学習院大学文学部史学科ご卒業、昭和58年~昭和60年英国:オックスフォード大学マートンコレッジご修学、昭和63年学習院大学大学院人文科学研究科博士前期課程ご修了」であるが、これはそもそもが卒業とか修了とかいう言葉になじまない留学だったからだ。
秋篠宮皇嗣殿下も、「昭和63年学習院大学法学部政治学科ご卒業、昭和63年~平成2年英国オックスフォード大学大学院動物学科にてご修学、平成8年理学博士(国立総合研究大学院大学)」。
皇后陛下の学歴も、「昭和60年米国:ハーバード大学経済学部ご卒業、昭和62年東京大学ご中退、昭和63年~平成2年英国:オックスフォード大学ベーリオールコレッジご留学」とある。オックスフォードについては、修士論文を提出されていないので修了とか言うことにならないのである。
もちろん、陛下や皇族方が実態と違った留学歴を仰っているわけでないが、世間では卒業されているような誤解は多い。
また、かつては、このあたり、アバウトに留学とか卒業、修了など使われていたが、最近になって、徐々に厳密に書くようになりつつある。だから、政治家などでも留学歴を書き換えている人もいると聞く。
小池知事の場合、粉飾であることは間違いなさそうだが、日本人の留学、とくに、発展途上国への留学などの場合、粉飾はよくある。
そして、それは蓮舫氏も同じで、参議院のホームページには「北京大学留学」とあるが、自身のホームページには、「北京大学漢語中心」への留学とある。北京大学の附属施設である留学生向けの語学学校らしいと文春砲に暴露されてしまった。
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