長崎県の宇久島では、日本最大のメガソーラーの建設が始まりました。島のほぼ2割を埋め尽くす152万枚のソーラーパネル。280haの広大な設備に建築確認も環境アセスメントもなく、土砂崩れや火事が起こると、消防車も行けない。脱炭素化は、今や最大規模の自然破壊になりました。

宇久島メガソーラー(予想図)

1990年代に気候変動が問題になり始めたころ、アル・ゴア米副大統領は「地球温暖化で海面が20フィート(6m)上がって都市が水没する」と主張し、国連はIPCC(気候変動に関する政府間パネル)で温暖化の影響を調査しました。

その結果、21世紀末までに気温は約2℃上昇し、海面は約60cm上昇するという予測が出ました(第6次評価報告書)。ゴアの予想は1桁まちがっていたのですが、脱炭素化運動は過激化する一方です。

他方、温暖化を防ぐコストはほとんど計算されなかったのですが、「2050年ネットゼロ」を提唱するIEA(国際エネルギー機関)の予測では、そのコストは世界で毎年4.5兆ドル。このコストを日本が均等に負担すると、毎年30兆円ぐらいです。

ネットゼロが本当に実現しても、地球の平均気温は0.8℃、海面は10cm下がる程度です。日経新聞は「カーボンゼロでもうかる」とはやしていますが、2050年までに100兆ドル以上の投資を上回るリターンはあるのでしょうか?

7月からのアゴラ経済塾では、このような脱炭素化の費用対効果を考え、ビジネスマンがそれにどう対応すべきかを考えます。授業はすべてオンライン(Zoom)で行うので、全国の(あるいは海外の)みなさんも視聴できます。録画をあとからYouTubeで見ることもできます。