インド担当の田澤ともきです。
2022年に公開されたインド映画「RRR(アールアールアール)」をご存じの方はいますか?作品の中で使われた「ナトゥー・ナトゥー」はインド映画史上初、アカデミー賞歌曲賞、ゴールデングローブ賞の主題歌賞を受賞しました。
10年前に比べると、配信サービスが充実しインドの映画もたくさん配信されるようになりましたが、雑誌の表紙を飾ったりこんなにロングランヒットした映画は「RRR」が初めてではないかと思います。
実はインドは映画が盛んな「映画大国」ですが、インド映画も観光旅行と同じぐらいインドの国のように魅了された人を深い沼へと誘います。どの州で作られた映画なのかによって、作風が異なるのもインド映画ならでは。サスペンスあり、社会風刺あり、コメディあり、もちろん踊るだけではありません。そして3時間36分という長さもインド映画の特徴です。
その「RRR」撮影の地であり、「RRR」の聖地ともされるのが、テランガナ州の州都ハイデラバードです。実は私、去年(2023年)の9月より主人の転職がきっかけでデリーから1,559kmも離れたハイデラバードへ引っ越ししました!映画の街、ITの街、古市街と新市街が楽しめるエキゾチックな街です。9年住み慣れたデリーを離れて引っ越したハイデラバードは、インドに長年住んでいる私でも驚くほど違いました。
今回はハイデラバードの街の様子や、私が住んでみて気づいた北インドとの違いをお伝えします。
目次
IKEAもある!計画都市のハイデラバード
デザインが違う!推しが違う!ヒンドゥー教の北と南の違い
IKEAもある!計画都市のハイデラバード
インド在住者の間では、自分が住んでいる都市においしいレストランや日本人が行きたいお店があるとSNSでプチ自慢しあうのですが、ハイデラバードといえばIKEAが有名。
日本在住の方は、「インド=カオス」「インド=汚い」といイメージを持つ人も多いと思いますが、いえいえ、今や30代の若い夫婦は共働きで年に1度の海外旅行、持ち家をもち車を所有、なんていうケースがどんどん増えています。
人口13億人の国なので貧富の差は激しいですが、経済発展の勢いはまだまだ止まるところを知りません。夢がありますね。
次は、ハイデラバードの国際玄関口、ラジーヴ・ガンディー国際空港の周りをご紹介します。
ラジーヴ・ガンディー国際空港
ラジーブ・ガンディー空港は「ハイデラバード国際空港」とも呼ばれています。この空港の記号は「HYD」です。ハイデラバードの空の玄関口は、ターミナルはまだ一つですが、これも増設されるのは時間の問題です。
残念ながら日本からハイデラバードへの直行はありませんが、バンコク、シンガポール、クアラルンプール、香港からの乗り入れがあります。国内線は、デリー、バンガロール、ムンバイなど主要都市から飛んでいます。
エアインディアでは、2024年4月現在のフライトスケジュールによると、デリー乗り継ぎですが午後の出発で乗り継いでその日の深夜に到着できます!少し移動は長くなるものの、忙しい方のインド旅行には移動のロスがないのはおすすめポイントです。
24時間空港なので深夜到着でもレストランも空いています。ご覧のように明るい空港はデリー空港より穏やかな雰囲気です。規模は違いますが、空港前は開けていてUberやプリペイドタクシーのシステムもかなり整っています。
写真は空港の中です。Uberのタクシー手配は他のエリアとは異なります。デリーでは、車のナンバーとドライバーの名前などの情報が届きますが、ハイデラバードのUberは予約番号が届いて、それをUber専門ドライバーにみせてマッチング完了。そのため、目の前にいる車に飛び乗ることができるシステムです。
もし、インドに初めて来る方は移動はUberがおすすめです!Uberでリキシャーも予約できますし、料金はあらかじめわかるし、ネットが通じる携帯ならGPSでどこを走っているかもわかります。
空港にはファーストフードを中心に、南インド料理屋さんもあります。
写真のフードコートは、到着ロビーのさらに1階下。タクシー乗り場もその下にあります。まず人の流れに乗って到着ロビーから1階下に降りてくださいね。
デザインが違う!推しが違う!ヒンドゥー教の北と南の違い
それでは早速、ハイデラバードの楽しさをお伝えしていきましょう。
ハイデラバードはテランガナ州の州都ですが、もともとアーンドラプラデシュ州と統合されており、2014年に独立しました。インドでは500年ほど前から存在する比較的新しい都市です。人口は現在約3,520万人、これは東京、神奈川、千葉、埼玉の人口を合わせたぐらいの人口です。
特に私はヒンドゥー寺院をめぐる記事をよく書いていますが、同じ宗教なのにここまで違うのか!というぐらいデザインや配色が違います。有名な寺院は、写真のような豪華な所が多く、まるで映画のセットのようです。
特にヒンドゥー教のお坊さんは北インドはオレンジの袈裟をまとっているのが多く、黒い服は忌み嫌われる色ですが、南インドでは特定のお寺で全身黒づくめの服装で参拝するヒンドゥー寺院があります。石像も黒曜石をふんだんに使い、黒光りしている石像が多く見受けられます。すべてが豪華絢爛なのが南インドヒンドゥー寺院の特徴です。
インドにはたくさんの神様がいて、北インドはリシケシやヒマラヤが近いためシヴァ神やクリシュナ神が多くみられます。しかし、南インドは創造神のブラフマー神やヴィシュヌ神が多く歴史も数百年前のものがたくさん残っています。またイスラム教文化が融合されているハイデラバードは、ヒンドゥー教だけでなく、至るところにモスクやパレス、フォートなどもあるため北インドよりも多様性を感じます。
レストランは多種多様。アラブ料理や南インド料理が豊富で、デリーに比べるとノンベジ率がぐんと高くなります。小麦を使ったクッキーや焼き菓子がヨーロッパに近い味わいになるほか、中華料理やタイ料理なども多く、日本食はまだまだですがおいしい各国の料理を食べることができます。
STATE OF EQUALITY(RAMA NUJA)
この像は「ラーマ・ヌージャ」という11世紀に実在した哲学者の像です。この像は5種類の金属でできていて、インド全土の座像の中で一番大きいものです。この像の周りには108つのインド各地の神を祭った神殿が立ち並び、グッズや食事ができる場所もあります。
北インドのヒンドゥー寺院はほとんどがナガラ様式と呼ばれるものですが、南インドの寺院はドラビタ様式とよばれるピラミッドのような寺院が多いです。
「入場料が必要で、携帯などのカメラ類の持込は原則禁止です。外側からの撮影は可能です。中は像を中心に大きな回廊の途中に軽食場所やお土産やさんなどもあります。1周回るのに少なくても30分は要しますので、時間に余裕をもって入場しましょう。また、この寺院は5歳以上の参拝者はドレスコードがあり、足を出したり、肩を出す洋服は男女禁止されています。男性はインド服またはオフィスカジュアル、女性はサリーまたはクルタや民族衣装が好ましいでしょう。(公式サイトより引用)」
【Statue Of Equality】
- 住所:58PM+G7V, Muchintal, Venkannaguda, Telangana 509325 インド
- TEL:+91 79014 22022
- 入場料:大人200ルピー、子ども125ルピー、携帯持込1台につき500ルピー
- 営業時間:平日05:30~20:00(土日は20:30まで)