悪質な金融業者を排除して小規模農家をエンパワー

Aceli Africaによると、東アフリカでは労働人口の65%が農業従事者で、各国GDPの25%を農業が支えているにもかかわらず、農業への融資は全体の5%未満だ。Emataはこの不公平の是正を目指して2020年に設立された。

わずか2年後には50の組合・団体とパートナーシップを組み、4万の農家に約100万ドルの融資を実施している。2023年9月には、African Renaissance PartnersやNorrsken Acceleratorなどが参加したシードラウンドで240万ドルの資金調達に成功した(EmataのLinkedIn投稿より)。

Image Credits:Emata

調達した資金は、ウガンダ国外で事業展開するために活用されるという。ウガンダを含む東アフリカ諸国の農業金融商品の需要は130億ドルだが、サハラ以南では推定2400億ドルと桁違いの市場規模だ。近いうちに実施される国外展開の行き先はタンザニアになる可能性が高いという。

Emataの事業展開が拡大すれば、「非合法のオンライン金融」を駆逐する効果も見込める。ウガンダだけでなく世界中で問題になっていることだが、手早い融資を得たいがために法外な金利のオンライン金融業者を選ぶ小規模農家が多いのだ。悪質な業者を排除するには、良心的な業者の台頭が欠かせない。

「アグリレンディングの新星」であるEmataには、大きな期待がかけられている。

(文・澤田 真一)