シボレー・コルベット史上初の電動化および全輪駆動を採用した「コルベットE-RAY」が日本で発表。ミッドシップ配置の6.2リットルLT2スモールブロックV8エンジンが後輪を駆動し、フロントアクスルに配した電気モーターがシート間のフロアトンネルに設置したバッテリーパックを介して前輪を駆動。システム最高出力は664psを発生。予約注文の受付けは6月7日より開始
ゼネラルモーターズ・ジャパンは2024年6月1日、シボレー・ブランドの旗艦スポーツカーであるコルベットの電動AWD(全輪駆動)モデル「コルベットE-RAY」を発表し、合わせて予約注文の受付けを6月7日より開始するとアナウンスした。車両価格は2350万円に設定する。
コルベットの誕生70周年を記念し、2024年モデルとして本国デビューしたコルベットE-RAYは、ミッドシップ配置のLT2型6156cc・V型8気筒OHV直噴VVTエンジン(最高出力502ps/6450rpm、最大トルク637Nm/5150rpm)が後輪を駆動し、フロントアクスルに配したHP1型モーター(最高出力119kW、最大トルク165Nm)がシート間のフロアトンネルに設置したリチウムイオンバッテリーパック(総電力量1.9kWh)を介して前輪を駆動する、“eAWD”のパワートレインを搭載。eAWDシステムは路面状況や車速、ステアリングの舵角を常に計測し、フロントアクスルとリアアクスルの動力配分を瞬時に最適化する。これにより車両の安定性を高め、ワインディングでの連続するコーナリングや、悪天候、滑りやすい路面など、あらゆる状況下での優れた操作性とパフォーマンスを実現した。システム最高出力は664psを発生。性能面では0→60mph(約96km/h)加速2.5秒、1/4マイル(約400m)加速10.5秒を成し遂げる。また、駆動用リチウムイオンバッテリーはエンジンが稼働した状態で26km/h以上での走行時や減速時にフロントモーターを使用して充電。合わせて巡航時などではモーターがアシストすることで、より多くの場面でアクティブフューエルマネジメント(4気筒モード)の使用を拡大し、燃料消費を抑えつつ、必要な時には瞬時に4輪全てのタイヤで加速する。
さらに、ドライブモードとしてツアー/ウェザー/スポーツ/レーストラック/マイモード/Zモード/ステルス/シャトルという8モードを設定。ステルスモードを選択すれば電気モーターのみの駆動が可能で、住宅街や早朝など静かに走行したい場合に効果を発揮する。上限速度は時速約72km/h、最大航続可能距離は約4.8~6.4kmで、上限速度を超えたり、アクセルを強く踏み込んだりした場合は自動的にエンジンが始動する仕組みだ。
一方、パフォーマンス・トラクション・マネージメント(PTM)は電動AWDシステムと強調して最適化。また、E-Ray専用チューンのマグネティックセレクティブライドコントロール付きZERパフォーマンスサスペンションに、前20インチ/後21インチ専用パールニッケル鍛造アルミホイール+前P275/30ZR20/後P345/25ZR21ミシュランPILOT SPORT 4S ZPランフラットサマータイヤ(空気圧センサー付)を組み合わせた「ZERパフォーマンスパッケージ」を標準で装備する。さらに、制動機構にはダークグレーメタリック塗装のキャリパーを配したブレンボ社製パフォーマンスカーボンセラミックブレーキシステムを組み込んだ。
エクステリアについてはコルベットZ06と同様、全幅を3.6インチほど拡大したロー&ワイドなプロポーションに仕立てたうえで、フロントインテークやサイドインテークトリム、リアバンパートリムなどのアクセントパーツをボディ同色で塗装したことがトピック。さらに、着脱可能なボディ同色SMCルーフパネルやクロームエクステリアパッケージ(エンブレム/ネームプレート)、ウィッカービル付リアスポイラー、ブライト仕上げのクオッドエキゾーストテールパイプなどを標準で装備する。ボディカラーはリップタイドブルーメタリック/アークティックホワイト/ブラック/シーウルフグレートライコート/レッドミストメタリックティントコートという5色をラインアップ。ボディサイズは全長4685×全幅2025×全高1225mm/ホイールベース2725mmに設定し、車両重量はZ06比で90kg増の1810kgに抑えた。
コクピットに関しては、パワートレインの動作状況をセンタースクリーンに配したインフォテインメントシステム内のE-RAYパフォーマンスアプリに表示する「E-RAYパフォーマンスApp」を採用したことが特徴。走行中のモーターとエンジンの動きなどのパフォーマンスデータをリアルタイムで表示し、ドライビング中のあらゆる挙動がコクピットからモニタリングできる。さらに装備面では、12インチカラークラスターディスプレイ/ドライバーインフォメーションセンターやカラーヘッドアップディスプレイ(サーキット&通常走行モード表示機能付)、パフォーマンスデータレコーダー、スウェーテッドマイクロファイバーラップドアッパーインテリアトリム、カーボンファイバー&レザーラップドステアリングなどを標準で採用。シートには8ウェイ調整機構/ヒーター&ベンチレーション機構付きのGT2バケットシート(パーフォレーテッドナパレザーインサート)を配備した。
ドライバーアシストテクノロジーの強化を図ったことも訴求点で、バージョンアップした低速時フロントオートマチックエマージャンシーブレーキ(歩行者および自転車対応)やレーンキープアシスト/レーンディパーチャーウォーニング、フォワードコリジョンアラート、フォローイングディスタンスインジケーター、サイドブラインドゾーンアラート、リアパークアシストなどの先進機能を標準で採用している。
なお、日本導入モデルは販売台数が僅少のため、本年6月7日10:00~6月30日18:00の期間で予約注文を受付け、申込み順に2025年から納車を開始する予定。また、予約申込み者の中で2024年内の納車を希望する人は、15台限定での販売を計画する2024年モデルへの抽選に参加できる。抽選対象となる車両は、ボディカラーがリップタイドブルーメタリック、インテリアカラーがスカイクールグレーの組み合わせのみ。通常販売の2025年モデルは前述の5色のボディカラーから選択可能で、インテリアカラーにはスカイクールグレー&ジェットブラックの2トーンを配備している。
文・大貫直次郎/提供元・CAR and DRIVER
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