今月11日開催のFIFAワールドカップ北中米大会アジア2次予選シリア戦で先制ゴールを奪った日本代表FW上田綺世。オランダ1部フェイエノールトで来季レギュラー定着が期待されているが、ここに来て今夏移籍の可能性が浮上。同クラブはMLS(アメリカ・メジャーリーグサッカー)フィラデルフィア・ユニオン所属FWフリアン・カランサの獲得に向かっているという。
鹿島アントラーズやベルギー1部サークル・ブルッヘで絶対的ストライカーとして活躍していた上田。昨年8月にサークル・ブルッヘからフェイエノールトへ完全移籍も、加入1年目の今季はリーグ戦でわずか5試合のスタメン出場。メキシコ代表FWサンティアゴ・ヒメネスの控えに甘んじたが、それでも4月25日のゴーアヘッド・イーグルス戦から3試合つづけてゴールをマーク。5月のクラブ月間MVPに選出されるなど、爪痕を残してシーズンを終えていた。
ヒメネスにステップアップ移籍の可能性が報じられていたフェイエノールトのストライカー陣。欧州の移籍市場に精通するイタリア人ジャーナリストのファブリツィオ・ロマーノ氏は今月12日に「フェイエノールトがカランサの獲得で口頭合意」と伝えていた。
するとオランダ紙『AD』は13日、フェイエノールトの補強を特集。ロマーノ氏の報道内容を引用した上で、「カランサ加入により、フェイエノールトはヒメネスか上田の退団の可能性を考慮している。ヒメネスの方が今夏移籍に向かっているが、上田を放出する可能性も排除していない」とリポート。上田の残留が確実ではない現状を伝えたのだ。
現在24歳のカランサは、2022シーズンからフィラデルフィアでプレー。同クラブ在籍3年間で95試合に出場し43ゴール20アシストを挙げており、2024シーズンはここまで公式戦15試合の出場で10ゴールをマーク。かつて年代別のアルゼンチン代表でプレーしていたほか、イタリア国籍も有している。
なお、カランサはフィラデルフィアとは今年12月まで契約を残しているが、『AD』の記事には「クラブ間で移籍金に関して議論されていない」と綴られている。現時点で上田に対する他クラブからの関心は報じられていないが、カランサやヒメネスの去就次第ではわずか1年でフェイエノールトを離れる可能性も考えられる。