ダラーラ製超軽量CFRP製モノコック採用
クルマにあまり詳しくない方はご存じないと思うが、アルファロメオは由緒正しいイタリアの高級ブランドである。戦前の彼らはまさにそうで、レーシングカーメーカーとしても活躍していた。当時のグランプリレースで、フェラーリの祖エンツォがアルファロメオのレーシングドライバーとしてステアリングを握っていたのは有名な話。そしてその高性能モデルには高価なプライスタグがついていた。1929年リリースの6C-1750あたりは、その代表選手の1台である。
そんな背景があるからか、アルファロメオは時にファンを驚かす。抜群にスーパーなモデルを発表するのだ。それは戦後、大衆向けマーケットに路線変更しても変わらない。今回フューチャーするアルファロメオ4Cと同スパイダーもまたそれにあたる。なんといっても、2シーターミッドシップなのだから恐れ入る。2013年のジュネーブ・モーターショーで初公開されたときは、すでにSUVブームだったのだから驚きはなおさらだ。
さらにいえば、このクルマのシャシーフレームはレーシングコンストラクターで有名なダラーラ製。カーボンファイバーを存分に使ったモノコックボディである。目指したのは軽量化だ。エアコンを装備しなければ1トンを切っていたそうだ。クルマを軽くすることの恩恵を熟知しているアルファロメオらしい手法と決断である。
パッケージングはもちろんだが、大胆な決断によって生まれたエクステリアデザインもこのクルマの醍醐味といいたい。ワイド&ローの全体的なシルエットもそうだし、フロントにエンジンを積まないことで生まれた低いボンネットも心を射る。そして何より、斜め後方から見たリアフェンダーの膨らみ。この抑揚はまさにスーパーカーのフォルムそのものである。ルーフエンドの絞り込みと合わせ、見ているだけでワクワクするラインだ。
アルファロメオ4Cのプロファイルを簡単に説明すると以上のようになる。これがそのままこのクルマの魅力となる。「いま買っておきたい」ポイントは、その存在すべて、だろう。4気筒ターボをこれだけシンプルに楽しめるクルマは多くない。EVになってバッテリーを積んだらこの軽快さは出せないはずだ。
ちなみに、4Cの前のアルファロメオのスペシャルモデルとしては、8Cコンペティツィオーネがあり、さらにその前にはSZ/RZなどがあった。どれも通常の量産モデルとはまったく別の一癖も二癖もあるモデルである
アルファロメオ4C主要諸元
モデル=2016年式4Cスパイダー
新車時価格=6SMT 861万8400円
全長×全幅×全高=3990×1870×1190mm
ホイールベース=2380mm
トレッド=フロント:1640/リア:1605mm
車重=1060kg
エンジン(プレミアム仕様)=1742cc直4DOHC16Vターボ
最高出力=177kW(240ps)/6000rpm
最大トルク=350Nm(35.7kgm)/2100〜4000rpm
JC08モード燃費=12.1km/リッター(燃料タンク容量40リッター)
サスペンション=フロント:ダブルウィッシュボーン/リア:ストラット
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール=フロント:205/45R17/リア:235/40R18+アルミ
駆動方式=MR
乗車定員=2名
提供元・CAR and DRIVER
【関連記事】
・「新世代日産」e-POWER搭載の代表2モデル。新型ノートとキックス、トータルではどうなのか
・最近よく見かける新型メルセデスGクラス、その本命G350dの気になるパワフルフィール
・コンパクトSUV特集:全長3995mm/小さくて安い。最近、良く見かけるトヨタ・ライズに乗ってみた
・2020年の国内新車販売で10万台以上を達成した7モデルとは何か
・Jeepグランドチェロキー初の3列シート仕様が米国デビュ