毎熊晟矢 写真:Getty Images

 セレッソ大阪所属DF毎熊晟矢は、オランダ1部AZアルクマール移籍がほぼ確実に。日本代表DF菅原由勢に替わるサイドバックとして期待する声が現地で挙がる一方、森保ジャパンではDF冨安健洋(アーセナル)のユーティリティ性もあり、序列低下が避けられない見通しだ。

 V・ファーレン長崎在籍時、吉田孝行監督のもとでサイドバックへポジション転向した毎熊。2021シーズン終了後に長崎からC大阪へ完全移籍すると、C大阪でも主力選手として活躍。昨年9月の国際親善試合トルコ戦で1アシストを含む2得点に絡むなど、鮮烈デビューを飾ると、今年1,2月のAFCアジアカップでは不振の菅原からレギュラーを奪っていた。

 森保ジャパンでのさらなる台頭が期待されていた毎熊だが、今季J1リーグの公式戦で精彩を欠くパフォーマンスを露呈すると、今年3月以降は招集外。一方、日本の複数メディアが報じたところによると、今年夏にC大阪からAZへ移籍することで合意に達した模様。オランダメディア『FCアップデート』も12日、日本国内の報道内容を引用する形で「毎熊は菅原の後継者だ。今年はじめまで、日本代表で菅原とポジション争いを繰り広げていた」と期待を寄せているほか、「毎熊はC大阪との契約を2年程度残している。AZは移籍金として数百万ユーロを支払わなければならない」と綴っている。

 ただ、毎熊にとって代表復帰への道のりは険しいかもしれない。森保一監督は今月11日開催のFIFAワールドカップ北中米大会アジア2次予選シリア戦で、前半は3バックシステムを採用したものの、後半から4バックシステムに変更。これまで主にセンターバックでプレーしていた冨安が右サイドバックを配置するなど、戦術の幅を広げている。

 その冨安は、後半も守備面で安定感抜群のパフォーマンスを発揮。同選手の右サイドバック起用がひとつのオプションとして考えられるだけに、試合後にはネット上で「冨安選手のサイドバックは安心感ある」という声が。アーセナル所属DFが高く評価される一方、右サイドバックを本職とする毎熊やDF橋岡大樹(ルートン・タウン)の序列低下を予想する意見も湧き起こっている。

 海外挑戦前から、オランダ国内で菅原と比較されている毎熊。代表復帰、北中米W杯出場にむけて、まずはオランダ1部リーグでの出場機会確保が求められる。