ポルシェは2024年5月28日、992型ポルシェを大幅にアップデートした2025年式のポルシェ911カレラ、911カレラ GTS、911 タルガ4 GTS、911カレラ GTS/911カレラ カブリオレのワールドプレミアを行ない、ポルシェジャパンは予約受注を開始した。

ポルシェ新型911 ついにハイブリッド登場 カレラGTS T-ハイブリッド【公式動画】
(画像=左から911 タルガ4 GTS、911カレラ GTS、911カレラ カブリオレ、『AUTO PROVE』より引用)

新型911カレラGTSには、「T-ハイブリッド」と名づけられた超軽量なハイパフォーマンス・ハイブリッドシステムが、初搭載されている。

911カレラGTSクーペは排気量3.6Lの革新的なハイブリッド・パワートレインを搭載し、走行性能を大幅に向上させている。0-100km/h加速は3.0秒で、最高速度は312km/hに達する。

また、新しい911カレラは刷新された3.0Lの水平対向ツインターボエンジンを搭載し、先代モデルよりもさらにパワーアップしている。新型911シリーズは、デザインの刷新、エアロダイナミクスの向上、より進化したインテリア、標準装備のアップグレード、コネクティビティの拡張なども行なっている。

ポルシェ新型911 ついにハイブリッド登場 カレラGTS T-ハイブリッド【公式動画】
(画像=911カレラ GTS、『AUTO PROVE』より引用)

カレラGTSモデルに搭載される革新的なハイパフォーマンス・ハイブリッド「T-ハイブリッドシステム」は、レースから得た知見をベースに設計している。

911モデル・ライン担当のフランク・モーザー副社長は、「私たちは、911と完璧に適合するハイブリッドシステムにたどり着くために、さまざまなアイデアやアプローチを開発し、テストを行ないました。その結果、911の全体的なコンセプトに適合し、そのパフォーマンスを大幅に向上させるユニークなシステムが誕生しました」と語っている。

■911カレラ GTS

T-ハイブリッド T-ハイブリッドシステムには、新開発の電動ターボチャージャーが搭載されている。コンプレッサーとタービンホイールの間に組み込まれた電気モーターが、瞬時にターボチャージャーの速度を上昇させ、ブースト圧が即座に高められる。

またターボチャージャーの電気モーターは排気ガスで駆動されるジェネレーターとしても機能し、最大11kW(15ps)の電力を発生することができる。ウエストゲートなしの電動ターボチャージャーは、従来の2つのツインターボチャージャーではなく、1基のターボチャージャーとなり、よりダイナミックで応答性の高いパワー供給を実現している。

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(画像=新たに搭載された電動ターボチャージャー、『AUTO PROVE』より引用)

新しい8速デュアルクラッチトランスミッション(PDK)には電動モーターを内蔵している。アイドル回転数でも最大150Nmの駆動トルクで水平対向エンジンをサポートし、最大40kWの出力アシストを行なう。そして電動ターボからの電力と、PDK内蔵のモーターは軽量でコンパクトな高電圧バッテリーと接続されている。

ポルシェ新型911 ついにハイブリッド登場 カレラGTS T-ハイブリッド【公式動画】
(画像=『AUTO PROVE』より引用)

この高電圧バッテリーのサイズと重量は従来の12Vスターター用バッテリーに相当するが、容量は最大1.9kWhを蓄え、400Vの電圧で作動する。また、総重量を最適化するため、ポルシェは12V車載電装システム用に軽量なリチウムイオン・バッテリーも搭載している。

ポルシェ新型911 ついにハイブリッド登場 カレラGTS T-ハイブリッド【公式動画】
(画像=911カレラ GTS用野3.6Lエンジン、『AUTO PROVE』より引用)

パワートレインの心臓部は、大幅に改良された3.6Lの水平対向6気筒(EA9A2 )エンジンだ。高電圧システムの採用で、エアコンコンプレッサーを電動で駆動することが可能になり、その結果ベルト駆動が省略されたため、エンジンが大幅にコンパクトになっている。

これにより、電源ユニットの上部にインバーターとDC-DCコンバーター用のスペースを確保。ボアは97mm(+6mm)、ストロークは81mm(+4.6mm)に拡大され、先代に比べて排気量は0.6Lアップしている。

エンジンにはバリオカム・カムシャフトコントロール(可変バルブタイミング制御)とロッカーアーム付バルブリフトコントロールが装備されている。またエンジン制御ではマップ全体にわたって燃料と空気の理想空燃比を維持できるようになっている。

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(画像=ニュルブルクリンクでテスト中の911カレラGTS、『AUTO PROVE』より引用)
ポルシェ新型911 ついにハイブリッド登場 カレラGTS T-ハイブリッド【公式動画】
(画像=ニュルブルクリンク北コースで7分16秒934のラップタイムを記録、『AUTO PROVE』より引用)

このエンジンは電動アシストなしでも、出力357kW(485ps)、最大トルク570Nmを発生する。モーターアシストを含めたシステムの合計出力は398kW(541ps)、合計トルクは610Nmとなり、先代と比較し45kW(61ps)のパワーアップとなっている。この効率的なハイパフォーマンスハイブリッドは、ダイナミックな走行特性を実現すると同時に、プラグインハイブリッド車と比較して遥かに軽量で、CO2排出量を削減。先代モデルからの重量増加はわずか50kgとなっている。

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(画像=911カレラ、『AUTO PROVE』より引用)

■3.0Lツインターボ(911カレラ)

911カレラは、ツインターボを備えた3.0Lの水平対向6気筒エンジンを搭載。このエンジンも全面的に刷新され、インタークーラーは、エンジン上部のリヤリッドグリルの真下に配置。そして911カレラのターボチャージャーは、先代のGTSモデル用を採用した。

ポルシェ新型911 ついにハイブリッド登場 カレラGTS T-ハイブリッド【公式動画】
(画像=911カレラ カブリオレ、『AUTO PROVE』より引用)

これらの改良により、排出ガスの低減と最大トルクは450Nmに向上し、最高出力は290kW(394ps)まで高めている。新しい911カレラクーペの0-100km/h加速タイムは4.1秒(スポーツクロノパッケージ仕様車は3.9秒)、最高速度は294km/hで、先代モデルと比較するとそれぞれ0.1秒、1km/h向上している。

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(画像=911 タルガ4 GTS、『AUTO PROVE』より引用)

■シャシー

911カレラGTSのサスペンションもトータルに見直しされている。リヤアクスル・ステアリング(後輪操舵)が初めて標準装備となり、高速走行時の安定性向上と、回転半径も縮小している。

ポルシェダイナミックシャシーコントロール(PDCC)のアンチロール・システムはパフォーマンスハイブリッドの高電圧システムに統合した。これにより、電気油圧制御システムの使用が可能になり、制御幅の拡大と精度がさらに向上。また可変ダンパーシステム(PASM)を備えたスポーツサスペンションと、10mm下げられた車高により、GTSの特徴的なハンドリングを生み出している。

新型911のホイールには、計7種類の19/20インチまたは20/21インチのホイールデザインが用意されている。911カレラに初めて採用されたエクスクルーシブデザインのホイールは、空気抵抗係数を低減し、効率を高めるカーボンブレードを備えている。

ポルシェ新型911 ついにハイブリッド登場 カレラGTS T-ハイブリッド【公式動画】
(画像=911 タルガ4 GTS、『AUTO PROVE』より引用)

911カレラGTSは、幅11.5インチの21インチホイールと315/30ZR21タイヤをリヤに標準装備。フロントには245/35ZR20タイヤを8.5×20インチホイールに装着。性能の大幅な向上に合わせリヤタイヤの接地面積を広げたことで911カレラGTSのドライビングダイナミクスとトラクションが向上している。

■エクステリア

ターゲットを絞ったアップデートにより、エクステリアデザインもより洗練されている。改良のほとんどは、エアロダイナミクスとパフォーマンスを向上させるためだ。今回の変更点のひとつは新デザインのバンパー挙げられる。ポルシェは初めて、911の標準装備となった4灯のグラフィックを備えたマトリックスLEDヘッドライトに、他のライト機能を統合。これにより、フロントのドライビングライトを省略することが可能になり、フロントに大型の冷却ベントを設けるスペースを確保している。

ポルシェ新型911 ついにハイブリッド登場 カレラGTS T-ハイブリッド【公式動画】
(画像=『AUTO PROVE』より引用)

911カレラGTSモデルのフロントエンドは、外側から見える5つの縦に配置されたアクティブ冷却エアフラップと、両側に隠れされたフラップを装備。911では初めてこれらのフラップとアンダーボディのアダプティブ・フロントディフューザーが統合制御される。

これらのエレメントは、必要に応じて空気の流れを制御し、必要なパワーが最小限の場合、フラップを閉めてエアロダイナミクスを最適化。サーキット走行などパワーの要求が高い場合、フラップは大量の空気を車のラジエーターに送り込む。

照明ライト系では、3万2000以上の光点を備えたHDマトリックスLED機能を装備する新しいヘッドライトがオプション設定された。高性能ハイビームは、600m以上先まで道路を照射できる。また、この高性能ライトはドライビングモードに連動するダイナミックコーナリングライト、車線照射、道路工事現場などでのワイド照射、ピクセル単位で精確な防眩ハイビームなど、革新的な機能を備えている。

リヤは、再設計された円弧と“PORSCHE”ロゴを統合したライトストリップのデザインとし、911のリヤエンドをより深く、より広く見せる。新設計の各サイド5枚のフィンを備えたリヤグリルは、リアウインドウに接続し、下側の格納式スポイラーに溶け込むグラフィックとなっている。

ポルシェ新型911 ついにハイブリッド登場 カレラGTS T-ハイブリッド【公式動画】
(画像=『AUTO PROVE』より引用)

また、ナンバープレートの位置を高めに設定し、すっきりとした構造のリヤバンパーを採用。モデル専用のエグゾーストシステムは、目立つディフューザーフィンにエレガントに組み込まれている。

911カレラには、オプションでスポーツエグゾーストシステムを設定し、911カレラGTSには、GTS専用のスポーツエキゾーストシステムが標準装備されている。

オプションのエアロキットは、911クーペのパフォーマンスをさらに向上させる。キットには、ユニークなフロントスポイラーを備えた特徴的なスポーツデザイン、フロントバンパー、それにマッチしたサイドシルパネル、軽量の固定式リヤウイングがセットになっている。これらのコンポーネントは揚力を低減し、タイヤのグリップを向上させる役割を持っている。

■インテリア

新型911のインテリアは2シーターとして標準設計し、追加料金なしで2+2シートも選択できる。コックピットには、伝統の911デザインのDNAと最新のテクノロジーを融合。ポルシェドライバーエクスペリエンスコントロール・コンセプトにより、ドライバーを中心とした直感的で素早い操作に重点を置いている。

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(画像=911カレラ GTSのインテリア、『AUTO PROVE』より引用)
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(画像=911カレラ GTSのシート、『AUTO PROVE』より引用)

重要なコントロール類はステアリングホイール上またはステアリングホイールの周囲に標準装備のドライビングモード・スイッチと、改良されたドライバーアシスタンスレバー、そして911では初となるスタートボタン(ステアリングホイールの左側)が配置されている。新しい911のセンターコンソールの収納コンパートメントには、電磁誘導充電機能を備えたスマートフォン用の冷却コンパートメントを配置した。

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(画像=ドライブモードスイッチ、『AUTO PROVE』より引用)

そして911に初めてフルデジタルのメーターパネルが装備された。12.6インチの曲面ディスプレイは幅広いカスタマイズが可能だ。レブカウンターを中央に配した伝統的なポルシェの5連メーターにインスパイアされた独自のクラシックディスプレイを含む、最大7種類の表示が可能だ。

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(画像=スタートボタン、『AUTO PROVE』より引用)

ポルシェコミュニケーションマネジメント(PCM)システムは、10.9インチの高解像度センターディスプレイで操作し、ドライビングモードのカスタマイズやドライバーアシスタンスシステムの操作性が大幅に改善されている。

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(画像=911カレラのインテリア、『AUTO PROVE』より引用)

Apple CarPlayはより深く統合され、必要に応じてメーターパネルに情報を表示し、Siri音声アシスタントなどを介してAppleエコシステムで車両機能を直接操作することができる。

また、今回初めて、駐車中のビデオストリーミングもオプションで利用できるようになっている。SpotifyやApple Musicなどのアプリは、スマートフォンを接続しなくてもPCMのネイティブアプリとして使用が可能になっている。

価格

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(画像=『AUTO PROVE』より引用)

提供・AUTO PROVE

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