黒坂岳央です。

筆者は会社員時代、上司はとにかく仕事に厳しい人ばかりを引いてきた。周囲からは「あの人難しいから気をつけてね」と言われたり「運が悪かったね」と言われる事が多く、実際たくさん叱られてきた。

しかし、そのおかげでずいぶん成長できたし、今は自分自身がかなり仕事に厳しい価値観になれたので本当に感謝している。仕事に厳しい人とたくさん接したことで、彼らに共通する価値観が分かった。言語化することに挑戦したい。

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厳しい点、優しい点

彼らは決して人間的に厳しいわけではなく、あくまで仕事に厳しい人たちである。

そのため年齢的な限界や、何らかの不可抗力による障害でできないことにまで腹を立てることはしない。どちらかといえば、優しく理解を示してくれたりするものである。しかし、意識すれば誰でもできることを手を抜いたり、プロ意識の欠けることをすると烈火の如く怒り出してしまう。

筆者は財務の役員に目をかけてもらって、たくさんアドバイスをもらっていた時期がある。頑張ってもパフォーマンスが出し切れないことについて、彼はいつも優しかった。「少しずつ力をつけできるようになりましょう」という具合に寛容に見てくれていた。

しかし、資料を提出する時にチェックを怠ってつまらないミスをしたり、自分の責務において最後に脱力して出てしまったミスについては声を荒げて猛烈に怒った。「我々の仕事は成果物を経営者に判断してもらう仕事なのだから、その成果物でミスをしたら日頃どれだけ努力をしていても全部ムダになる。最後だからこそ、手を抜いてはいけないのだ」と教わった。当時はかなり苦しく感じたが、今では非常にいいアドバイスだとありがたく思っている。