【買っておきたい21世紀名車】プレミアムを象徴する「挑戦の造形」、最高の時間を提供するレクサスLCの肖像
(画像=2020年式レクサスLCコンバーチブル/新車時価格:10SAT 1500万円。LCは2012年発表のコンセプトカー、LF-LCの鮮烈なデザインを忠実に再現。クーペとコンバーチブルが選べる。コンバーチブルのトップは4層構造。開閉時間は約15秒。50km/h以下なら走行中も操作できる。コンバーチブルはクーペ比でドア後方を高めたハイデッキ形状が個性、『CAR and DRIVER』より 引用)

スタイリッシュにして優雅。特別な時間を約束するスペシャルティ

 LCは、レクサスにとって、とても重要なモデルである。日本を代表するラグジュアリーブランドとして世界で戦っていくうえで、LCは必須な1台だからだ。このクルマの発売時(2017年)には、当然高級サルーンのLSがフラッグシップとして君臨していた。しかしそれでは不十分だったのである。

 理由はシンプル。世界で名を馳せる高級車ブランドには必ず2ドアビッグクーペ&コンバーチブルが存在していた。メルセデスやBMWはもちろん、ベントレーやアストンマーティンはそれをラインナップする。つまり世界の高級車ブランドがターゲットとするセレブリティは「特別な1台」を欲しているのである。

【買っておきたい21世紀名車】プレミアムを象徴する「挑戦の造形」、最高の時間を提供するレクサスLCの肖像
(画像=『CAR and DRIVER』より 引用)
【買っておきたい21世紀名車】プレミアムを象徴する「挑戦の造形」、最高の時間を提供するレクサスLCの肖像
(画像=『CAR and DRIVER』より 引用)

 その重要性に気づいたレクサスは2012年の北米モーターショーでコンセプトカーLF-LCを発表。レクサスの格上げ作戦をスタートした。当初それを当時のGSベースで作ろうとしたところ、まったく実現できなかったそうだ。LF-LCは車高が低かったこともあり、GSベースでは人が乗れるスペースが確保できず、カタチも不格好になってしまったらしい。

 そこでLCは、ゼロベースから新設計し生まれた。LCは、かつてのソアラのバッジ違いのSCとは異なり、レクサス純血のビッグクーペ&コンバーチブルである。ボリュームあるボディはサイズに縛られることなく計画された。結果、伸びやかなラインが生まれ優雅なフォルムが描かれることになった。全幅1920mmは立派だ。存在感でいえば、ベントレーやアストンマーティンにも負けない仕上がりである。日本車の歴史を紐解いてもここまで大きく流麗な2ドアクーペ&コンバーチブルは存在しない。

【買っておきたい21世紀名車】プレミアムを象徴する「挑戦の造形」、最高の時間を提供するレクサスLCの肖像
(画像=『CAR and DRIVER』より 引用)
【買っておきたい21世紀名車】プレミアムを象徴する「挑戦の造形」、最高の時間を提供するレクサスLCの肖像
(画像=『CAR and DRIVER』より 引用)

 興味深いのはパワーソース。V6ガソリンエンジンと2基のモーターから構成されるハイブリッド(500h)と5リッター・V8エンジン車(500)が存在する。注目は後者。モーター全盛のこの時代において大排気量自然吸気ガソリンエンジンが手に入るのだ。これぞまさに「いま買っておきたい」魅力ポイント。このサイズとデザイン、それと自然吸気エンジンが、この先現れるとは到底思えない。V8は時代背景を考慮すると、とっくに3リッター・V6ターボのマイルドハイブリッドあたりとスイッチしていてもおかしくないパワーソースである。パワーとサウンドは最高。過給器のない5リッター・V8エンジンならではの「音」と「鼓動」に多くのクルマ好きがシビれること間違いなしだ。