雨風が強い日があったり、豪雨による被害が発生したりするなど、2024年は自然災害が多く発生しています。このようなときでもクルマを運転しなければならないという方も多いのではないでしょうか。雨風が強い日や台風の日などは、クルマの運転や挙動も大きく変化するため、いつも以上に気をつけて運転する必要があります。では、何をどのように気をつければよいのでしょうか。今回はクルマの特性・特徴・違いという視点から、運転時に気をつけなければならないことを解説します。
クルマによって変わる風の影響
ニュースで見聞きすることがあるクルマの横転事故。横転事故の原因はさまざまですが、強風が原因となることがあります。強い風は、クルマの運転にも影響するため、風が強い日の運転は普段以上に慎重にしなければなりません。
また、運転に気をつけるだけでなく、今乗っているクルマが風の影響を受けやすいタイプなのかということも理解しておく必要があります。
日本国内で高い人気を誇るミニバンやトールワゴン・ハイトワゴンなどは、横風の影響によって、ふらついたり、ハンドルを取られたりしやすいボディタイプです。頭上空間にゆとりがあり、室内空間の広さが魅力的なクルマは、居住性は良いものの、風の影響を受けやすいクルマであると自覚した上で運転する必要があります。
風が強い日に風が弱い日と同じ運転をすると走行中に思わぬ方向へ進んでしまったり、ふらついたり、横転したりすることがあるため注意しましょう。
制動距離に影響するのは濡れた路面だけではない
「濡れた路面では制動距離が長くなる」ということは、多くの人が知っていることでしょう。しかし、重量の増加が制動距離に影響することを知っている人はどのくらいいるでしょうか。
クルマの全高を高くしたり、大容量バッテリーやさまざまな装備を搭載したりすると、クルマの重量は重くなります。この重量増加に見合うサイズのタイヤやブレーキを装着しなければ、クルマが止まるまでの距離が長くなります。つまり、制動距離が長くなってしまうということです。
しかし、実際に世の中に出回っているクルマを見てみると、全高が低いクルマと全高が高いクルマ、車両重量が軽いクルマと重いクルマのどちらもほぼ同じタイヤサイズで、同じ大きさのブレーキが装着されているクルマがあります。
全高が高くて重いクルマに全高が低くて軽いクルマと同じタイヤとブレーキを装着し、同じ環境・条件でクルマを走らせ、ブレーキをかけた場合、重量が軽いクルマより重量が重いクルマの方が制動距離が長くなります。また、濡れた路面では、クルマの重量が重くなるほど制動距離が長くなることが実験で明らかとなっています。
JAFユーザーテスト:たくさん乗せるとどう変わる?制動距離と旋回性能を比較。
このようなことからも、制動距離は路面状況だけでなく、車両重量や積載している人や荷物の重さなどで変化することを理解しておくことも重要です。