ウィリアム・テルはスイスの伝説に登場する英雄だ。14世紀初頭、スイスのある町の広場には、帽子を掲げた棒と、「これはオーストリア皇帝の帽子だ。帽子の前を通るときは、必ずお辞儀をせよ。おじぎをしない者は死刑にする」と書かれた立札が立てられていた。スイス人猟師のテルは帽子の前を通るときにお辞儀をしなかったため逮捕され、役人のゲスラーの提案によって、息子の頭上に載せたリンゴを弓で射落とすこととなった。しかし、息子の励ましもあって、テルは見事にリンゴに矢を命中させたのだ。
ウィリアム・テルは民衆に人気があっただけでなく、1829年にジョアキーノ・ロッシーニがオペラ『ウィリアム・テル』序曲を作曲したことから、世界的にも有名となった。特に、頭上のリンゴを矢で射落とすシーンは、パロディとしてさまざまな娯楽作品にみられる。サーカスなどのパフォーマンスとしても演じられるが、時として失敗することもある。そんな失敗の瞬間を捉えた映像が、海外の動画共有サイト「TheWorldWatch」などで公開された。
一人の男性が頭上にリンゴがある状態でステージ上に直立している。何本か矢が飛んできて、その一本がリンゴに命中するのではなく、男性の耳に突き刺さってしまった。画面が切り替わり、負傷した耳の写真が映し出される。耳の真ん中に穴が開いているのが痛々しい。
同様の失敗の中でも特に悲惨な瞬間を捉えたとされる動画がYouTubeなどで公開されている。ロシアのテレビ番組「Russia’s Got Talent」で、出演者の男性がもう一人の男性の頭の上にある空き缶に向けて矢を放つが、その矢は空き缶ではなく男性の顔に突き刺さったのだ。顔を射抜かれた男性は後方に倒れて動かなくなった。
この動画はネット上で拡散されて有名になったが、ファクトチェックを行う米メディア「スノープス」によってフェイクであると断定された。理由としては、動画に映るセットには英語で「Talent」と書かれていること、事故の発生した番組が放送されることはないことなどが挙げられる。生放送中の事故である可能性については、動画が編集されていることから否定する。スノープスは、空き缶のアップをわざとらしく映していることから、エナジードリンクのプロモーション動画だったという説を有力視する。
ウィリアム・テルの伝説を再現しようとすれば、人間に矢を命中させるリスクは避けられない。決して真似してはいけない。
参考:「TheWorldWatch」、「スノープス」、ほか
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提供元・TOCANA
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