株式会社博報堂は、「博報堂富裕層マーケティングラボ」と名付けたプロジェクトを創設。新たな富裕層として定義した「インカムリッチ」を研究し、富裕層向けのマーケティング活動支援・新たなマーケティングの機会創出を目指します。
このたび、その活動の第1弾として全国の20~69歳の男女2,451人にアンケート調査を行い、「インカムリッチ」の動向についてまとめた結果を発表しました。
新富裕層「インカムリッチ」とは?
博報堂がいう「インカムリッチ」とは、従来の富裕層(純金融資産1億円以上)とは異なり、世帯年収1,500万円以上の生活者のことです。純金融資産は多くないものの、消費ポテンシャルの高いパワーカップルなどが増えていることを背景に、これらの高所得層を「インカムリッチ」と定義しました。
厚生労働省の「国民生活基礎調査」によると、世帯年収1,000万円以上の世帯割合は、2013年の11.3%から2022年に12.6%へと約10年で1.3%のプラスとなっており、そのうちインカムリッチは、およそ100万世帯増加したそうです。
博報堂の調査では、インカムリッチの割合は全体の2.4%で、世代としては、男女ともに40代が突出しています。職業は、「会社員」が過半数を占め、全体の約3割が「上場企業に勤務している」という結果になりました。
インカムリッチが保有している資産は?
インカムリッチを含む調査対象全体に保有資産を複数回答式でたずねると、「現金・預貯金」がトップに。順位に差異はあれど「自宅の土地」「株式」「生命保険」が並びます。
インカムリッチの約4割が「自宅の土地」「株式」「生命保険」を保有しているようです。
さらに、資産運用・投資への意識について複数回答式で聞いたところ、インカムリッチは「資産運用では、短期的な利益より、中長期でのリターンを重視(61.1%)」「リスクを考え、資産の配分を管理(54.6%)」「ネット証券などを通じて自分で投資(51.5%)」と回答。
回答者全体と比較したときに、10~20ポイントほど多く、資産運用への意識が高いことがうかがえます。
「ご褒美消費」の意欲が高い傾向に?
消費意識について質問すると、「節約・倹約意識が高い方だと思う」という意識に全体とインカムリッチで大きな差はありませんが、インカムリッチは、21%が「今の生活を楽しむためにお金を使いたい」、17%が「自分へのご褒美のために贅沢をしたい」と回答しており、全体より5~6.5ポイント高い結果となっています。
なかでも、20~30代でインカムリッチの女性は、「ご褒美消費」の意欲がより高い傾向にあることがわかりました。