数年前まで、時計について何も知らなかった私。「時計に何百万もかけるなんて信じられない……」そんなことも思っていました。
しかし、高級時計に携わる仕事を通して(そして、Watch LIFE NEWS編集長菊地さんからの学びを経て笑)時計の奥深さや、それぞれの方が大切に、思いを込めて時計を所有していることを知りました。「トレンドに流されず、自分のスタイルを持ち、次世代へとつないでいくこと」はとても素敵なことです。

この連載企画では、そんな高級時計の世界に興味をもった20代の女性が、素敵な時計を身に着けているおしゃれな人々を紹介します。

本日はジャーナリストとして働くシモネ・マーチンさんの時計を取り上げます。

ミラノ出身のイタリア人が日本で買ったヴィンテージ時計は?【Saeの“みんなどんな時計着けてるの”?】
(画像=『Watch LIFE NEWS』より引用)

Simone Martin(シモネ・マーチン)
ミラノ出身のイタリア人。2019年から現在日本在住5年目。ジャーナリスト/メディアの仕事を経て現在はコンサルタントとして働く。日本に来る前はコスタリカや中国に在住していた経験も。旅行好きで、音楽やコンサートに行くこと、アートギャラリーや展示会、レストランやカフェ、バーなどに出かけることも好き。ずっと時計が好きだが、22年頃からコレクションすることに熱心に。コレクションは12本までというポリシーをもつ。

さて、そんなシモネさんが着けている時計は?

「1970年製のオメガ・シーマスター クロノメーター Ref.166.010です」

ミラノ出身のイタリア人が日本で買ったヴィンテージ時計は?【Saeの“みんなどんな時計着けてるの”?】
(画像=『Watch LIFE NEWS』より引用)

いつ購入しましたか?

「2022年末、12月頃だったと思います。年末なので自分へのご褒美に、素敵なプレゼントを贈りたいと思い、購入しました。」

素敵ですね!どちらで購入されたのですか?

「麻布十番のブランドヴィンテージショップで見つけたもので、見た目も文字盤やライスブレスなどの状態も良くとても気に入りました」
(※ライスブレス:1960年代初頭に製造されたブレスレットの通名で、大粒の丸いコマが米粒に見えることから“ライスブレス”と呼ばれています)

購入する際、ほかの時計と迷っていましたか?

「はい。いくつかの異なるモデルの中から選びました。ヴィンテージのオメガ スピードマスター ムーンウォッチ、ブルガリのディアゴノ スキューバ、ロンジン コンクエストなどで迷っていました」

この時計にした決め手は?

「ヴィンテージ時計の歴史と独特でエレガントさがありながら、スポーティさも備えているためです。“ドレッシーな時計”ではなく、洗練された印象があると思っています。文字盤はクリーンで明るく、ブレスレットも綺麗で、サイズも36mmとちょうどいいです。ピュアな上品さがあり、時代を超越したが見た目がお気に入りです」

どのようなシーンで着用されていますか?

「ジーンズや白いシャツにも合いますし、よりフォーマルな環境でブレザーやスーツと合わせて着用することもできます」

カジュアルにもフォーマルにも着用されているのですね!

「また、この時計は私よりも年を取っているのに、とても手入れが行き届いていてきれいに見えるのも気に入っています。時間というのはある意味“相対的”なものだと考えさせられる、こういった歴史ある時計を身に着けるのが大好きです」

ミラノ出身のイタリア人が日本で買ったヴィンテージ時計は?【Saeの“みんなどんな時計着けてるの”?】
(画像=『Watch LIFE NEWS』より引用)

ヴィンテージ時計の魅力ですね。

「自動巻きムーヴメントは毎時1万9800で鼓動するのですが、それも素晴らしいです。身に着けるたびに幸せをもたらしてくれます。まさに、時代を超えた、非常に魅力的な時計だと思います」

実際に購入してみてどうですか?

「この歴史あるタイムピースが自分のコレクションに加わったことを本当にうれしく思います!
様々なシチュエーションで着けやすく、頻繁に着用しています。正確で快適、服装にスタイルと優雅さを与えてくれるこの時計が気に入っています」

愛着が感じられます。

「また、近年ヴィンテージモデルはこのような素晴らしい状態で見つけるのは難しくなってきています。そういった意味で、この時計は特別ですし、所有していることを誇りに感じます」

そうなると、市場での価値も上がっていそうですね。

「そうですね。私のコレクションの中で最も高く評価されている時計のひとつだと思います。 これは私のこだわりなのですが、自身が所有する時計は 12 本以上にしないようにしたいと考えています。そのため、将来的に自分の時計コレクションを更新するために、いま持っている時計のうちどれかを手放す可能性はあります。
でも、この時計は手放さないと思います!」

なぜ12本以下にこだわっているのですか?

「それぞれの時計を身に着けるのに十分時間がほしいですし、12本というのは様々な選択肢がありながら管理しやすい適切な数だと思います。私がいま焦点を当てているのは、コレクションの量ではなく質を向上させることなので、時計の数に上限を設けることは本当に気に入ったものだけを追加するのにも役立ちます」

次に気になっている時計はありますか?

「多くの時計に興味があります……。が、おそらく次の時計には新しいダイバーズウオッチを探すことになると思います。その場合、私の選択はチューダー ブラックベイあたりになる気がします。39mmのブラックベイ 58 ブルーダイアルか、シルバーケースのブラックベイ 58 925を検討しています。
でも、気が変わって、カルティエ タンクやジャガー・ルクルト レベルソなどの四角いヴィンテージ時計(ますます引かれています笑)にするかもしれません。 難しい選択です! もっと考えたいと思います。」

ありがとうございました!
コレクションの数を12本に保ちながら、ヴィンテージを含めて時計ライフを楽しんでいるシモネさんのお話を聞くことができ、楽しかったです。

今後の連載でも、様々な方の素敵なエピソードを紹介していきますので、お楽しみに!

文・菊地紗瑛 (Sae Kikuchi)/提供元・Watch LIFE NEWS

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