各種施策は経営的には成功

 デジタルマーケティング会社のプロデューサーはいう。

「以前と比べてシステムが複雑になっており、混雑している日などに下調べしないで行くと、ほとんどアトラクションを利用できないままで終わってしまう可能性もあるので、かなり前の段階から動いて事前に情報収集しておく必要があり、それなりにリテラシーが求められてきます。なので一部の人から『しんどい』『気軽に行けなくなった』という声があがるのは当然ですが、一時期のものすごい混雑やアトラクションでの長時間の行列待ちを解消するために現在の形になったという経緯があり、実際にそれらの問題は以前より大きく改善されたのは事実。長い行列待ちを強いられるよりは、下調べやシステム上での手続きが多少面倒になっても、後者のほうがましだと考える人も多いはず。運営会社のオリエンタルランドの前年度決算の純利益は過去最高となるなど業績は伸びており、結果的に各種施策は経営的には成功しているということになります」

 大手旅行会社関係者はいう。

「東京ディズニーシーの新エリアへの入場は当面はハードルが高い状況が続くものの、従来のディズニーリゾートのエリアに限っていえば、家族4人で一日4~5万円というのを、安いと考えるか高いと考えるかは人によるでしょう。その金額で年に1日だけ非日常的な空間で家族4人で特別な時間を過ごせるとなれば『全然払える』という人も少なくないでしょうし、たくさんアトラクションには乗れなくても十分に満足だと感じる人もいるでしょう。ただ、かつては年間7万円ほどの年間パスポートを購入すれば年に何度でも入園でき、とにかく園内の雰囲気が好きでアトラクションには乗らずに週1回くらいのペースで通うコアなファンもいましたが、そういうことはもうできなくなった。運営会社は混雑を解消しつつ、できるだけ客単価を上げるという方針をとっており、それは成功している。一方で“行きにくい場所になった”という面は否めません」

(文=Business Journal編集部)

提供元・Business Journal

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