アンデルソン・ロペス(横浜F・マリノス)

今季ここまで札幌における不振の一因となっているのが得点力不足。昨年はリーグで3番目に多い得点数を誇っていたこともあり、失点数が多いながらも中位に留まれてた。しかし、今季のゴール数はここまでリーグワースト2位の16ゴール。失点は変わらず多いことから得失点差もリーグで最も悪い数字となっている。

この状況下で恋しい存在と言えば、横浜F・マリノスの攻撃の要であるFWアンデルソン・ロペスではないだろうか。2019年に札幌へ加入すると、2年連続で9ゴールをマークし攻撃を牽引。2021年には14試合で12ゴールと驚異的な得点力で札幌を支えていた。その後、中国のクラブに引き抜かれたが2022年に横浜FMでJリーグ復帰を果たした。

その得点力は今も健在で、昨シーズンはFW大迫勇也(ヴィッセル神戸)と並んで得点王にも輝いた。今季も14試合出場で10ゴールと早くも2桁ゴールに到達しており、2年連続の得点王に向け順調にゴールを重ねている。今は横浜FMのエースとして活躍を続けるロペス。チームとして深刻な得点力低下を救えるOB選手の1人として、帰還を望むファンやサポーターも多いのではないだろうか。


前寛之 写真:Getty Images

前寛之(アビスパ福岡)

昨季のルヴァン杯決勝で先制点を挙げ、アビスパ福岡にクラブ史上初のタイトルをもたらす原動力となったMF前寛之。もともと札幌の下部組織出身で2014年にトップチームへ昇格し、水戸ホーリーホックを経て今季は福岡で5シーズン目を迎えている。

福岡では加入初年度となった2020シーズンから多くの出場機会を掴み、今季も変わらずボール奪取や冷静なパス捌きで中盤を支えている。さらに、ミドルシュートやチャンスと見るやゴール前まで詰めて得点を狙うなど攻撃に厚みを持たせることも可能。失点数に悩み、得点力不足に苦しむ今の札幌にとってチームに残ってくれていればどれほど頼れる存在になっていたかは言うまでもないだろう。

また、今季第16節のアルビレックス新潟戦では距離のあるフリーキックを直接ゴールへ叩き込む活躍で勝利に貢献。期限付きとは言えDF福森晃斗が不在の札幌にとって、セットプレーのキッカーとしても前の能力は魅力的に映る。札幌の中盤には、MF荒野拓馬やMF小林祐希といった攻守両面で活躍できる選手が今でも揃っている。しかし、さらなる安定感を求めて下部組織出身OBである前に帰ってきてほしいと願う声も多くありそうだ。