かつてジェフユナイテッド千葉に在籍していたブラジル人FWマテウス・サウダーニャは、2023/24シーズンのセルビア1部リーグで得点王に。パルチザンからトルコ1部フェネルバフチェへの移籍に迫っていると現地で報じられているほか、日本代表FW浅野拓磨(今季までVfLボーフム)が抱える給与未払い問題との関係もあるという。
現在24歳のサウダーニャは、2021年1月にブラジル1部ECバイーアから千葉へ移籍。千葉ではスタメンでの出場機会に恵まれず、中国1部・成都銭宝やアゼルバイジャン1部ネフチ・バクーへの期限付き移籍を経て、昨年夏にパルチザンへ加入。シーズン序盤から絶対的ストライカーとして活躍すると、昨年12月末に千葉からパルチザンへの完全移籍が正式決定したほか、セビージャやフェネルバフチェなど欧州複数クラブからの関心も取り沙汰された。
セルビア1部リーグ・プレーオフあわせて27試合の出場で17ゴールとブレイクを果たしたサウダーニャ。パルチザンとの契約を2027年6月まで残しているが、セルビアメディア『B.92 net』が先月30日に「サウダーニャはフェネルバフチェと契約を結んだ。パルチザン幹部も『彼は間違いなくクラブを去る』と今夏退団を認めている」とリポート。移籍金は1000万ユーロ(約16億9000万円)と、パルチザン史上3番目の高額移籍になるという。
またブラジルメディア『グローボ』は昨年12月、パルチザンが買い取りオプション行使により、サウダーニャを完全獲得した際、千葉に支払われる移籍金額が130万ユーロ(当時約2億円)と伝えていた。パルチザンは同選手をおよそ8倍の金額で売却するとみられるが、千葉にも巨額の連帯貢献金が支払われることになりそうだ。
一方、パルチザンは現在も浅野との間に給与未払い問題を抱えている模様。すでにスポーツ仲裁裁判所(CAS)は同選手のパルチザン退団が「正当な理由による契約解除」に当たると認めており、未払い分の給与額453281ユーロ(約6200万円)と5%の利息、同選手の滞納していた家賃などを選手側に支払うよう、パルチザンに命じている。
しかしセルビアメディア『sport klub』が今月1日に伝えたところによると、国際サッカー連盟(FIFA)はパルチザンに対して1年半の補強禁止処分を科したとのこと。背景に、浅野への給与未払い状態が続いていることがあるというが、浅野以外の複数選手との間でも同様の問題を抱えている模様。パルチザンは財政難に陥っており、サウダーニャの高額売却により、資金を捻出する方針だという。