町田ゼルビア所属FW藤尾翔太はパリ五輪U23日本代表候補として期待される一方、先月19日に行われた明治安田J1リーグ第15節の東京ヴェルディ戦における「PK直前の水かけ行動」で話題に。黒田剛監督の徹底して勝負に拘る姿勢に対する賛否両論が相次ぐ中、元JリーガーのSNS投稿が反響を呼んでいる。
町田は東京V戦で5-0と勝利したが、2-0とリードで迎えた後半15分にPKから追加点を奪っている。このシーンでは、キッカーの藤尾が給水ボトルに入っていた水をボールにかけて、ペナルティースポットにボールをセットしていただけに、ネット上では「将来サッカー選手を目指す子供たちにとって、良くない行為」「そこまでやって勝ちたいのか」「是非の話じゃなく好き嫌いの話」などと様々な声が湧き起こっている。
「水かけ行動」を巡り議論が白熱する中、東海社会人サッカーリーグ1部の岳南Fモスペリオに所属するMF松本翔が、今月4日にX(旧ツイッター)を更新。「JリーグのPKの水の話題が少しあったので、こんなのはどうですか?」とファン・サポーターに投げかけると、先日行われた試合での出来事として、「豪雨の中のPK獲得。PKマークの芝生が荒れ、ほぼ土となり、水溜りでマークが見えず。二級土木施工管理技士のキャプテン、現場仕事の水周り配管工事を日々行う選手中心にすぐに現場整備」と綴ったほか、動画を交えながら、ペナルティースポットを整備する様子を公開。「こんな熱いチームがモスペリオです」と所属クラブの良さをアピールすると、「全員で協力し合う!」「かっこいい」「PKスポット荒らすのではなく、直す選手は初めて見た!」などと温かいメッセージが寄せられている。
現在32歳の松本は、2011年に横浜F・マリノスのトップチーム昇格も、出場機会に恵まれず愛媛FCやレノファ山口へ期限付き移籍。2015シーズン終了後に横浜FMを契約満了により退団した後は、1年間の無所属期間を経てサウルコス福井、ガイナーレ鳥取、高知ユナイテッドSC、MIOびわこ滋賀(現レイラック滋賀FC)と渡り歩き、今年から岳南Fモスペリオでプレーしている。
ペナルティースポットに関する出来事だと、今年4月3日に行われたJ1第6節・町田対サンフレッチェ広島での攻防が記憶に新しい。この一戦では、50分に広島所属DF佐々木翔が町田所属MF下田北斗のスライディングタックルを受けて転倒。小屋幸栄主審がOFR(オンフィールドレビュー)のモニターを確認し、町田のペナルティスポットを指差した直後、広島所属MF松本泰志とMF川村拓夢が駆け足でペナルティエリアへ直行。松本がペナルティースポットに立つと、同じくペナルティエリアに駆け寄って来た町田所属FW藤本一輝に対して、スポットを触らせないように身体を入れるなど、スポット荒らしを未然に防いでいた。