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それ、やりたい「支援」になっていませんか?

子どもや女性の貧困に向き合い、支援や寄り添いの在り方を考えます。「支援」の主人公は、助けてほしいと声を上げた人のことです。

「子どもと女性のくらしと貧困」(中塚久美子 著)かもがわ出版

傷つく支援にNO!

「可哀想だから支援する」「自分がやりたいサポートをしたい」。こうした「支援」のあり方は好ましくありません。これは「傷つく支援」だと著書では解説されています。

「例えば、『3人の子どもに使ったチャイルドシートやバギーを捨てるんですけど、いりませんか?』といった電話が入る。『新品、もしくはきれいなものしか受け付けません』ときっぱり断る。『押し入れを整理したら出てきました。古いですが使っていません。よかったらお使いください』と手紙が入った段ボールが届く』(著書より)

「実際、かびたもの、ホコリだらけのもの、封のあいたオムツなどが送られてくる。『もったいないと思うならご自分でお使いください。心を傷つけるようなものは送らないで。』SNSやサポーター通信で徹底的にあらがう」(同)

東日本大震災で東北から関西へ移ってきた母親から聞かされた話が忘れられないと言います。なかなかショッキングな一言です。