Watto/iStock

日々生きていて不安を感じたり、自責の感情に駆られる自分を問題視する人も多いのではないだろうか。しかし実は、どんなに成功した人でも同じ悩みを抱えている。

そう語るのは現役会社員・時短コンサルタントの滝川徹氏。今回は、滝川氏の著書『細分化して片付ける30分仕事術(パンローリング) 』より、ネガティヴな思考への対処法について、再構成してお届けします。

成功しても消えないネガティヴ思考

理想の生活を手に入れ、生活リズムも整えることで日々の充足感も安定した。だがそんな今の私でも、時には「将来お金がなくなったらどうしよう」とか「自分はなんてダメ人間なんだ」という思考がよぎったりすることがある。

しかしこれは当然のことなのだ。なぜなら基本的に人間は不安を感じたり、ネガティヴな思考に陥りやすい。これはどんなに成功した人でも感じるものだ。

以前私はセミナーで話をしているときに不意に「自分みたいな大したことのない人間が、偉そうに話をしていいのだろうか」という不安が襲ってきたときがあった。これは「インポスター症候群」と呼ばれるもので、他者の評価に関係なく自分を過小評価したり、ネガティヴな方向に考えてしまうことをいう。

こうした感情に駆り立てられるからこそ人間はここまで進化してきた、そんな一説もあるくらいだ。昔の私はこうした感情にさんざん悩むハメになった。だがそれが誰にでも生じる感情だと理解できたとき、気持ちがどれだけラクになったことか。

今後、いや今現在でも君がこうした感情を抱いていたとしても、それは君がおかしいわけではない。私が断言する。人間はそういうもので、それは自然な感情なのだ。だから不安が襲ってきたときは「不安に思うのは自然なことだ」と自分に言い聞かせよう。それだけでだいぶラクになる。

それを踏まえたうえで、君には練習してほしいことがある。それは、不安をはじめとしたネガティヴな思考に対峙することだ。その対処法についても私がここ数年で学んだ方法を伝えていくが、まずはネガティヴな思考には大きく2つの傾向がある。このことを知っておいてほしい。

ひとつは「将来お金がなくなったらどうしよう」などの未来に対する不安。もうひとつは「自分はなんてダメなんだ」といった自責の感情だ。