アンドレス・イニエスタ 写真:Getty Images

 かつてヴィッセル神戸に在籍していた元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタ。エミレーツ・クラブのキャプテンとして活躍していたが、同クラブのUAE2部降格により現役引退や今夏移籍の可能性が高まっているという。

 イニエスタは昨年7月に神戸を退団してエミレーツ・クラブへ加入。2023/24シーズンのUAE1部リーグで20試合に出場し、5ゴール1アシストをマークした。ただチームは序盤から下位に低迷すると、昨年12月にリュイス・プラナグマ監督(元FC今治監督、元神戸コーチ)が辞任。監督交代後も浮上のきっかけをつかめず、今月1日開催のリーグ戦でも2-3と敗北。残り1試合である中、1部残留圏の12位ホール・ファカン・クラブから勝ち点5差の13位と2部降格が確定した。

 イニエスタとエミレーツ・クラブの契約期間は今年6月まで。1部残留時のみ行使可能な1年間の契約延長オプションの存在も報じられていたが、同クラブのユセフ・アルバトラン会長は先月、中東メディア『アル・カヘラ』の番組出演時に以下のように語っていた。

 「残留すれば、我々は彼と契約延長交渉を行う。彼はまだ技術的にもフィジカル的にも非常に良い状態だからね。2,3年我々のもとにとどまることも可能だ。しかし、降格の場合は事情が異なる。彼のような偉大な選手にとって、2部でのプレーを受け入れることはできない。(降格の場合は)監督就任を打診するつもりだ」

 エミレーツ・クラブの2部降格が決まっただけに、移籍の可能性もある。イタリアメディア『Dot Sport』は先月30日、セリエA昇格組コモ・カルチョからのオファーを報道。バルセロナ時代のチームメイトであるセスク・ファブレガスがコモのアシスタントコーチを務めているだけに、記事では「ピッチ上での時間も大切だが、何よりもセスクをピッチ外やロッカールームで助けることが期待される」と綴られている。

 なお、イニエスタは今年3月、米メディア『ESPN』のインタビューで「現役引退の考えは、ないと言えば噓になる」とスパイクを脱ぐ可能性があることを認めた一方で、「それが今年の夏であっても、今年末であっても、来年であっても…現役引退という考えに慣れ始めているんだ」と引退時期については明言を避けている。エミレーツ・クラブの2部降格で、現時点ではエミレーツ・クラブ残留での指導者転身、同クラブ退団での現役引退、コモ移籍の可能性が考えられる。