藤本寛也 写真:Getty Images

 かつて東京ヴェルディに在籍していたMF藤本寛也は、今季もポルトガル1部ジル・ヴィセンテでプレー。同クラブとの契約期間が2025年6月までである中、現地では同選手の去就に注目が集まっている。

 現在24歳の藤本は2020年8月に東京Vからジル・ヴィセンテへレンタル移籍すると、2021/22シーズンのリーグ戦でほぼ全試合スタメン出場。2022年8月の完全移籍移行後も攻撃陣の主力選手として活躍しており、今季はリーグ戦33試合の出場で3ゴール7アシストをマークした。

 ステップアップ移籍を期待する声も挙がる中、ポルトガル紙『ア・ボーラ』は今月1日にジル・ヴィセンテ所属選手の去就を特集。藤本をはじめ11選手について「ジル・ヴィセンテが今年夏の移籍ウィンドウで放出を余儀なくされない限り、当然ながら来季もチームでのポジションが保証されている」とリポート。ジル・ヴィセンテ残留のメリットとして、プレー時間の確保を強調している。

 ただ一方で、藤本にはブンデスリーガ(ドイツ1部)方面からの関心が絶えない。ドイツメディア『クリエイト・フットボール』は今年3月27日、日本代表DF板倉滉、FW福田師王所属ボルシアMGの獲得リストに含まれている可能性のある選手に、藤本や韓国人MFホン・ヒョンソク(KAAヘント)らを挙げた上で「コンスタントにチャンスを演出する攻撃的MFが必要だ」と主張。北ドイツ放送は先月24日、ブンデスリーガ昇格組であるザンクトパウリの補強戦略を特集しているが、「攻撃陣で主力選手に成長する可能性を秘めた獲得候補」のひとりに藤本の名前を挙げた。

 ボルシアMGは今季、ブンデスリーガで14位に低迷。板倉をはじめ複数選手に退団の可能性が報じられているほか、中盤の獲得候補にはMF田中碧(フォルトゥナ・デュッセルドルフ)の名前が。ただ、ドイツ紙『Rheinischen Post』は先月30日に「田中の移籍金は300万ユーロ(約5億1000万円)と安価だが、それでもボルシアMGは先に現有戦力の放出して資金を確保しなければならない」と伝えている。

 一方、ザンクトパウリはFW宮市亮(現横浜F・マリノス)の古巣。2021/22シーズンから2年続けてドイツ2部で5位と好成績を収めると、今季は2部リーグ優勝。2010/11シーズン以来となるブンデスリーガ復帰を果たしている。