国内ベンダと外資系ベンダの違い

 外資系ベンダを利用する際には、発注元にも一定水準のITに関するノウハウが求められるという。

「国内ベンダと異なり、一般的に外資系コンサルは自社のやり方でどんどんプロジェクトを進めて、顧客と交わした契約で定めた自社の担当範囲だけに専念する傾向があるため、システム構築の実作業を担う開発会社を含むプロジェクト全体の細かい部分まで、きちんと目配せができていなかった可能性も考えられます」(森井昌克氏/神戸大学大学院工学研究科 特命教授/5月4日付当サイト記事より)

 また、金融機関のシステム部門管理職はいう。

「国内ベンダの場合、契約うんぬんに関係なく、顧客側のタスクであっても気になる点や懸念点などがあると『これって大丈夫ですかね』などと言ってくるケースが多い。それがベンダと発注元の役割分担や責任の線引きを曖昧にしてしまったり、契約で定めた以上のボリュームの作業をベンダがやらされてしまうというマイナス面を生むことがある一方、結果的に“穴を埋めて”トラブル回避につながるという面もある。一方、外資系ベンダ・コンサルは『自分たちの担当範囲はここまで』とドライに線引きをしてくるし、顧客側の事情で問題が生じた場合は『ではプロジェクトを中止します』『追加費用がかかります』と言ってくるので、発注する側の企業にもそれ相応の高いスキルが必要となる。

 今回の件でいえば、あくまで推察だが、デロイト側は『この作業はグリコ側・開発会社側の担当』と考え、グリコ側は『これはデロイト側がやってくれているはず』と考えて“作業の漏れ”が数多く発生した結果、プロジェクトがうまく回っていなかったのではないか」

(文=Business Journal編集部)

提供元・Business Journal

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