ベルギー1部シント=トロイデンVV(STVV)所属GK鈴木彩艶は、パリ五輪前の強化試合(対アメリカ代表)に向けてのU23日本代表メンバーに選出。GK小久保玲央ブライアン(ベンフィカ)との比較論で再び注目を集める中、ベルギーメディアは鈴木のパフォーマンスに一定の評価を与えている。
鈴木は昨年夏にマンチェスター・ユナイテッドからオファーが届いたものの、出場機会確保の可能性を重視。浦和レッズからSTVVへ移籍すると、GKシュミット・ダニエルに替わる正守護神として活躍。ただ、ロングボールの処理を誤って失点するなど、リーグ戦でのミスが散見されたほか、今年1,2月開催のAFCアジアカップではセットプレーからの失点を連発。一部識者から厳しい指摘を受けるなど、日本国内での評価は上がっていない。
ネット上で「鈴木よりも小久保の方が良い」「ハイボール処理ならば、小久保ブライアンの方が上」などの声が挙がるなど、パリ五輪本大会での正守護神に関する議論が白熱する中、ベルギーメディア『Voetbal』は5月31日にSTVVの今季を総括。「最大の付加価値は2人の日本人選手によってもたらされた」とMF伊藤涼太郎と鈴木の貢献度も評価した上で、両選手について以下のように綴っている。
「中盤の中心選手は伊藤だった。彼のキックテクニックはSTVVにとって大きな武器である。マンチェスター・ユナイテッドとの争奪戦を制して獲得した鈴木も素晴らしかった。彼はベルギーでヨーロッパの基準を知ることを選択した。確かに才能はあるが、高い代償を払うこともあった」
そのSTVVはベルギー1部リーグを9位で終えたが、『Voetbal』は「トップ6からそれほど遠くない」と称賛。元ヴィッセル神戸指揮官であるトルステン・フィンク監督の戦術について「リスクを避けることなく自信を持ってビルドアップを図った。ボール支配率ではベルギートップクラスだった」と評している。
鈴木のパフォーマンスについては、欧州のデータサイト『DataMB』は今月25日、ベルギー1部リーグ戦における驚異のスタッツを紹介。空中戦勝率100%、パス成功率94%、ゴール阻止率89%と、複数の部門でベルギー国内トップの数値を叩き出したという。