アンドレス・イニエスタ 写真:Getty Images

 かつてヴィッセル神戸に在籍していた元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタは、現在UAE1部エミレーツ・クラブでプレー。今季終了後の現役引退も噂される中、ここに来てセリエA(イタリア1部)昇格クラブのカルチョ・コモへ移籍する可能性が浮上。バルセロナ時代のチームメイトから熱烈なラブコールを受けているという。

 バルセロナで数多くのタイトルを獲得し、ヴィッセル神戸でも天皇杯優勝を成し遂げたイニエスタ。吉田孝行監督のもとで出場機会を減らしたことにより、昨年7月に神戸を退団し、エミレーツ・クラブへ移籍すると、新天地でもキャプテンとしてチームをけん引。今季ここまでリーグ戦19試合の出場で5ゴール1アシストをマークしている。

 ただ一方で、エミレーツ・クラブはリーグ戦残り2試合で1部残留圏の12位ホール・ファカン・クラブから勝ち点5差の13位に低迷。最終節ではAFCチャンピオンズリーグ(ACL)覇者アル・アインとの対戦を控えているだけに、2部降格はほぼ確実とみられる。

 そんな中、イタリアメディア『Dot Sport』は今月30日に「イニエスタのもとには、友人のセスク・ファブレガスからクレイジーなオファーが届いている。40歳という年齢にかかわらず、セリエA昇格クラブからのオファーを受け入れる可能性がある」とリポート。バルセロナ時代のチームメイトであり、コモのアシスタントコーチを務めるセスク氏と再会する可能性を伝えているが、記事では、コモがイニエスタの獲得に向かっている理由について「ピッチ上での時間も大切だが、何よりもセスクをピッチ外やロッカールームで助けるためだ」と綴られている。

 またイニエスタ本人は今年3月、米メディア『ESPN』のインタビューで「現役引退という考えに慣れ始めている」とコメント。しかし『Dot Sport』は「数年前まで全世界を驚かせたような偉業を彼に期待することはもうできないのは明らかだ。だが、彼はサッカーを楽しみ続けている」と現役続行の可能性を強調している。

 コモは2002/03シーズンにセリエAの舞台で戦っていたものの、以降は3シーズン続けて降格。2005年に財政破綻のため4部からの再出発を余儀なくされたが、2015/16シーズンに2部復帰。その後も昇降格を繰り返したが、今季の2部リーグを2位で終え、セリエA復帰を果たしている。

 なお、イニエスタとエミレーツ・クラブの契約内容については、中東メディア『365scores』は先月29日に「クラブが1部残留の場合には1年間の契約期間延長のオプションが行使される」と報道。同クラブのユセフ・アルバトラン会長は、2部降格時に選手としての慰留は難しいとの見方を示すとともに、監督就任オファー提示の姿勢を見せている。