空気清浄機は、浮遊するホコリやハウスダストなどを除去して、空気をきれいにしてくれます。しかし、「種類が多くてどれを選んでいいのかわからない」という人もいるでしょう。
今回は、空気清浄機の基礎知識や選び方を詳しく解説します。あわせて、おすすめの空気清浄機も紹介するので、ポイントを押さえて自分にピッタリの1台を見つけましょう。
空気清浄機とは
空気清浄機とは、空気中に浮遊するホコリやハウスダストなどの目に見えないような細かな粒子を除去して、空気をきれいにする家電です。ここでは、まず空気清浄機の効果や仕組み、使用上の注意点などについて解説します。
空気清浄機の効果
空気清浄機に期待できる効果は、以下の4つです。
■ホコリを除去する効果
■アレルギー物質を除去する効果
■ウイルスや菌を除去する効果
■ニオイを除去する効果
1つめは、室内の汚れた空気を吸い取ってきれいな状態にしてくれる効果です。室内には目に見えないようなホコリが舞っており、空気清浄機があれば、これらの汚れを手軽に除去できます。
次に挙げられるのは、花粉をはじめとしたアレルギー物質を除去してくれる効果です。空気清浄機は花粉のほか、カビ・ハウスダスト・PM2.5といったアレルギー物質をまとめて吸い込んでくれます。カビやハウスダストなどは重大なアレルギーを引き起こす原因となるため、対策しておきたいところです。
3つめが、さまざまなウイルスや菌を除去する効果です。空気清浄機には、ウイルスや菌を抑制したり減少させたりする効果が期待できます。ただし、完全に除去できるわけではないため、注意しましょう。
4つめが、室内のニオイを除去してくれる効果です。タバコやペットなど室内のニオイが気になる場合は、空気清浄機を活用しましょう。その他にも、ゴミのニオイや洗濯物の生乾き臭などの生活臭も軽減してくれます。
空気清浄機の仕組み
続いて、空気清浄機が空気をきれいにする仕組みについても見ていきましょう。空気清浄機が空気を/h3>る仕組みには、以下の3つの方式があります。
■ファン方式
■イオン方式
■電気集塵方式
ファン方式は、ホコリなどの微粒子をファンで空気ごと吸い込んだあと、フィルターで吸着して空気をきれいにする方式です。フィルターによって、除去できる物質が変わります。ハウスダストや花粉、PM2.5、カビ、ウイルス、細菌など、フィルターごとに対応しているモデルが異なるため、用途に応じたフィルターを選びましょう。
イオン方式は、イオンを空気中に放出して浮遊する細菌やウイルス、物質を無力化・抑制したり、物質をイオンで分解したりする方式です。シャープの「プラズマクラスター」やパナソニックの「ナノイー」、ダイキンの「ストリーマ」などで採用されています。
電気集塵方式は、空気中の微粒子を静電気を利用して集め、その後フィルターで濾過して空気をきれいにする方式です。仕組みはファン方式と同じですが、汚れを集める方法が異なります。
空気清浄機の効果的な使い方
空気清浄機の効果や仕組みがわかったところで、空気清浄機の持つ効果を引き出すための方法も見ていきましょう。
まず、空気清浄機を設置するときは、壁にピッタリとつけるのはおすすめできません。背面吸気タイプの場合、壁が近すぎると周辺の壁や床を汚してしまうおそれがあります。また前面吸気タイプでも、空気清浄機の発熱が壁紙に影響を与えてしまう可能性が否定できません。壁と本体背面を約30cm離して設置するのが理想です。
その他、部屋に花粉が入りやすい玄関に置いたり、料理でニオイが発生するキッチンに置いたりすると、空気清浄機の高い効果が期待できます。
また、空気清浄機は24時間、365日稼働させるようにしてください。電源をこまめにオンオフするよりも、継続的に運転させるほうが空気をきれいに保ってくれます。そもそも、空気清浄機は継続稼働させることが前提として作られているため、安心して稼働させましょう。
空気清浄機の選び方
空気清浄機は、使用する部屋の大きさや期待する効果などによって、選ぶ商品が変わってきます。空気清浄機選びで押さえておきたいポイントは、以下の5点です。
■適用畳数
■フィルタータイプ・サイズ
■本体サイズ・デザイン
■お手入れのしやすさ
■その他機能
適用畳数
空気清浄機を選ぶ際は、使用する部屋に対して適用畳数が2~3倍のモデルを選びましょう。適用畳数(適用床面積)は日本電機工業会規格で定められた数値であり、「タバコ5本を吸ったときに相当する空気の汚れを、30分できれいにできる広さ」を表します。
空気清浄機では、適用畳数の数値に比例して、室内の空気を早くきれいにすることが可能です。また、きれいにするための稼働時間も短くて済むため、電気代の節約にもつながります。空気清浄機にはこの適用畳数が記載されているため、使用したい部屋に合わせてモデルを選びましょう。
フィルタータイプ・サイズ
空気清浄機は、製品によって搭載しているフィルターの種類や数が異なります。フィルターの性能が空気清浄機の性能に影響するため、どのようなフィルターを備えているか確認するようにしましょう。
フィルターの種類は、製品にもよりますが、基本的にプレフィルター、集じんフィルター、脱臭フィルターの3つです。プレフィルターはネット状のフィルターで、大きなゴミや汚れをキャッチします。集じんフィルターは、空気の汚れをろ過してきれいにするフィルターです。脱臭フィルターは、タバコやペットのニオイなどニオイ成分を吸着してくれます。
空気清浄機では、これらの3種類のフィルターを搭載しているのが一般的です。ただし、「集塵・脱臭一体型フィルター」や特定の機能を持つ独自フィルターを搭載しているものなど、製品によって異なるため注意しましょう。
集じんフィルターのなかでも、高い効果を期待できるのが0.3μm(1000分の3mm)の粒子を99.97%以上捕集する能力を持つ「HEPAフィルター」です。このフィルターを搭載していれば、スギ花粉・PM2.5・カビ胞子・ダニ・ハウスダストなど、大半の粒子を捕らえる効果が期待できるでしょう。
本体サイズ・デザイン
前述したように、空気清浄機は常に室内で稼働させる家電です。そのため、部屋において違和感のないサイズやデザインの製品を選ぶようにしましょう。
空気清浄機を効果的に使用するためには、適切な設置場所に置く必要があります。また、設置スペースがあるかの確認も必要です。日常生活での使用シーンをイメージして、その場所に置いて問題ないサイズなのか、デザインなのかあらかじめ検討するようにしてください。
最近の空気清浄機は、木目調の製品や北欧風のデザインのモデル、サイドテーブル代わりに使えるものなど、幅広いデザインの商品が揃っています。部屋の雰囲気にあった製品を選ぶことで生活が楽しくなるため、デザイン選びも怠らないようにしましょう。
お手入れのしやすさ
空気清浄機はフィルターを備えているため、プレフィルターや脱臭フィルター、集じんフィルターなどのお手入れが必要です。そのため、いかに楽にお手入れができるかは、空気清浄機選びにおいて重要になってきます。
フィルターは2週間~1カ月程度に1回の掃除が必要です。掃除方法は各製品で異なりますが、フィルターを取り出して掃除機で吸い取ることが一般的とされます。なかには、フィルターを本体につけたまま掃除できる製品や使い捨てできるフィルターを採用した製品などもあるため、各社の特徴をしっかり把握して製品を選びましょう。
その他機能
空気清浄機を選ぶ際には、上記の項目以外にも気を付けたいポイントがいくつかあります。押さえておきたいポイントは、以下の4つです。
■イオンやプラズマ機能の有無
■静音性
■センサ
■スマートフォン連携
空気清浄機には、イオンやプラズマなどの機能を搭載していて、浮遊物を効率よくキャッチできる製品があります。代表的なものとして挙げられるのは、シャープの「プラズマクラスター」やパナソニックの「ナノイーX」、ダイキンの「アクティブプラズマイオン」などです。これらの機能があれば、ウイルスや菌、花粉などを抑える効果のほか、洗濯物の生乾き臭やペット・タバコのニオイを抑える効果が期待できます。
日常使いする空気清浄機では、静音性も押さえておきたいポイントです。動作音が大きいと、うるさくて眠れなかったり、テレビの音が聞こえなかったりと、作業に集中できなくなってしまいます。静音性にこだわる場合は、動作音が30dB以下のものを選ぶようにしましょう。
また、空気清浄機に搭載されているセンサにも注目してください。センサには、ホコリやニオイを感知するもののほかに、動作を検知してホコリの舞い上がりを予測し運転を開始するセンサなどがあります。これらのセンサを備えた製品であれば、常に衛生的な空間を演出してくれるでしょう。
最近では、スマートフォンとの連携機能も進化を遂げています。空気清浄機を遠隔操作できたり、室内の空気状況を見える化したりなど便利な機能です。スマートスピーカーと連携すれば、音声で操作できる製品もあります。