入社2〜3年目を迎えたセールスパーソンは、もう新人ではないというプレッシャーや後輩に抜かされる焦りなど、1年目とは違った悩みを抱えます。

また、やる気はあるのに成果が出ない状況に「自分は営業に向いていないのでは?」と思ってしまう人もいるのではないでしょうか。

今回、話を聞いたのは、リクルートグループのトップセールスという経歴を持ち、現在はイラストレーターとして活動するべじこ こと 坂井洋子さんです。

営業時代に身につけた「キャラ営業」のスキルをイラストレーターになってからも活かしているというべじこさん。

そんなべじこさんに、キャラ営業とはなにかから、自分のキャラを発見する方法を聞いて「営業向いてない……」を一緒に解決していきましょう。



べじこさんって何者?

新卒でリクルートグループに入社し、10年半の法人企業への企画営業、転職情報サイト立ち上げのスーパーバイザーの経験を持つ。トップセールスとして活躍した秘訣を詰め込んだ書籍『キャラ営業の極意』は、発売から1ヶ月を待たず重版が決定。

イラストレーターや漫画家として活動する現在も、キャラを活かして仕事の幅を広げている。べじこのべじはベジタブルのベジ。野菜ソムリエでもある。

若手営業は悩みが尽きない……

―――べじこさんは、元リクルートのトップセールスなんですよね? それなら、新人の頃はとくに苦労しなかったのでしょうか?

いえ、決してそんなことはありません! 私も営業を始めた当時は「もしかして自分は営業に向いてない?」と思うほど苦労していました。

入社してすぐ、「飛び込み営業に行ってみよう!」と上司から言われ、重い足取りで桜並木を横切る日々を送っていたんです……。いま思えば、お客様に選んでもらう大変さを早めに体感させる目的があったのかもしれませんね。

いきなり会社を訪ねても、嫌がられるし、追い返されるし……。なかなか話を聞いてもらえず、辛い状況が続いていたことをよく覚えています。

同期も同じように辛い思いをしていたので、自然と励ます側になってしまって……。周りを鼓舞しているのだから、自分自身も頑張るしかありませんでした。

―――はじめから順調だったわけではなかったのですね。2~3年目のときも、辛い状況が続いたのでしょうか?

2~3年目になると「もしかして営業って楽しいのでは?」と思えるようになっていました!

きっかけは、当時の教育担当から「悲劇のヒロインぶってる」と言われたことですね。どうやら、指示された仕事を仕方なくこなしている感じが、表情や態度に出てしまっていたようです。

そのひと言のおかげで、徐々に営業として前を向いて仕事ができるようになりました。やらされているから辛いのであって「自分からやろう!」と気持ちを切り替えれば、見える景色が変わっていくことに気付いたんです。

それからは、お客様から仕事を任されることも増え、段々と営業の面白さを感じることができるようになっていました。

いま思えば、2~3年目あたりから自分の「キャラ」を発揮していたのではないかと思います。