減免制度でも対処できない方に向けた、高齢者向けの制度をご紹介する。利用には一定の条件があるものの、金利等が優遇されている。

生活福祉資金制度なら銀行で借りられない人も対象に

生活福祉資金制度とは、低所得者世帯・障害者世帯・高齢者世帯向けの貸付制度だ。

通常、収入が年金のみの高齢者は銀行などから融資を受けるのが難しくなるが、この制度を利用すれば借り入れできる。

例えば、生活の立て直しに必要な生活支援費は、2人以上世帯の場合は20万円借り入れできる。 また、介護のため住宅の改築などで資金が必要な場合、福祉費として最大580万円の借り入れが可能だ。連帯保証人なしでも利用できるが、連帯保証人を立てられる場合は、無利子での借り入れが可能だ。

借り入れである以上、返済は必要だが、例えば収入の目途があったり、所有物を売却して返済費用に充てられたりする場合には、活用を検討してもいいだろう。

自宅を売却してもらう

自宅を売却することで、まとまった資金を得ることができる。

思い入れがある家を手放すのは寂しい気持ちになるかもしれないが、介護資金が足りないのであれば交渉してもいいだろう。終活の一環で生前に身の周りの整理をしてコンパクトな住居に住んでもらえば、親亡き後の遺品整理の手間も省ける。

マイホーム借り上げ制度

マイホーム借り上げ制度とは、一般社団法人 移住・住みかえ支援機構の制度で、住まなくなった家を貸し出し、入居者から賃料を受け取る制度だ。

例えば、介護施設に入り自宅が空き家になる場合などに活用すれば、定期的な収入を増やすことができる。

文・勝目麻希(ファイナンシャル・プランナー)
新卒で総合職としてメガバンクに入行し、法人融資・金融商品販売等を担当。転職・結婚・出産を経て一時は専業主婦になったが、自分の金融知識や実務経験を活かしたいと独学でライターの道へ。現在はファイナンシャルプランナーの知識を活かして金融系メディアを中心に執筆。