異常な判決
呉座勇一vs日本歴史学協会名誉毀損訴訟で呉座敗訴呉座勇一氏が日本歴史学協会を訴えた名誉毀損訴訟で日本歴史学協会が全面勝訴しました – 武蔵小杉合同法律事務所
東京地方裁判所立川支部判決 令和6年5月20日 令和4年(ワ)第883号判決
日本歴史学協会が「日本中世史を専攻する男性研究者による、ソーシャルメディア(SNS)を通じた、女性をはじめ、あらゆる社会的弱者に対する、長年の性差別・ハラスメント行為が広く知られることとなりました。」とHPで書いた1ことにより呉座勇一氏の名誉を毀損したとして訴訟提起されていましたが、5月20日の判決で呉座氏が敗訴したことが明らかになりました。
被告である日歴協の側の代理人弁護士には神原元・太田啓子弁護士などX(旧Twitter)でもある種有名な人物が名を連ねています。
本件の裁判所の認定の仕方にはあまりにおかしく、疑問符が付きます。
上記声明において前提とされた呉座氏の投稿は、以下のものだからです。23
「あらゆる社会的弱者に対する長年のハラスメント行為」?呉座勇一が日本歴史学協会を名誉毀損で訴えた事件呉座氏が敗訴してるが、あまりにおかしい認定の仕方だと思う
「あらゆる社会的弱者に対する長年のハラスメント行為」
と書いたことについて「あくまで呉座の言動を批判したに留まり人身攻撃に及ぶものではない」としたが、対象はこれらの言動でした pic.twitter.com/GbWoGpdmWU
— Nathan(ねーさん) (@Nathankirinoha) May 23, 2024
まず、この部分は「意見論評」であり、「事実の摘示」ではないとされました。
呉座氏による「性差別・ハラスメント行為」の事実があったと言われたのではなく、日歴協が呉座氏の何らかの行為について「性差別・ハラスメント行為」と評したことの違法性が問われる事案だという事です。
なので、意見論評が公共の利害に関する事実に係り、かつ、その目的が専ら公益を図ることにあった場合、その前提事実が重要な部分において真実であることの証明があったときには、人身攻撃に及ぶなど意見ないし論評としての域を逸脱したものでない限り違法性を欠く、というのが判例です。4