昨今、音楽アーティストのライブやスポーツイベントの配信に、ペイパービュー(PPV)が用いられることも多くなりましたが、「生中継」「生放送」といった誘い文句で、あたかもこれらを視聴できるかのようなリンクを貼り付けている投稿がXに存在します。
もちろん、このリンク先から視聴することは不可能。それだけでなく、場合によっては入力したクレジットカードの情報を盗まれてしまうことも。今回はこのフィッシング詐欺の手口をご紹介します。
■ アーティストの写真の無断使用、実在企業の協賛を騙る……悪質すぎる手口
こうした不審なリンクを貼り付けているのは、主に「○○LIVE」「○○MUSIC」といった、一見すると映像配信を行っているように見えるアカウント。

対象のアーティストや団体のハッシュタグを付けて、検索にかかりやすくしていたり、アーティストの写真を勝手に使用しているだけでなく、「マクセルが協賛」など、実在企業の名を無断で使用し、信用を得ようとするケースも存在しています。

こうした投稿が存在していることは、マクセル側も把握済。マクセル公式Xでは「協賛していませんのでご注意を」と注意を呼びかけています。
また、そのライブの日にちが過ぎると、次の日はまた別のアーティスト、別のライブで偽のリンクを貼り付けて投稿。内容を日ごとに変更していることもわかりました。
今回の調査では幅広い年齢層にファンを持つ海外の超有名バンドから、若者中心に支持を得る国内の新進気鋭の人気バンドに。ターゲットを絞らない点も、嘘に引っかかりやすくなる要因と言えるかもしれません。

■ リンク先にはクレジットカードの登録画面 絶対に入力してはダメ!
では、その手口は一体どのようなものでしょうか。投稿に貼り付けられているリンクをたどると、あたかも本物の配信を行っているかのような見た目のサイトが現れました。

ここでもアーティストの写真が堂々と使われており、動画の再生ボタンをつい押したくなってしまうように仕立てられていますが、もちろんこれも真っ赤なニセモノ。
サイトをよく見てみると、過去に格闘技やスポーツの偽配信サイトを作った名残なのか、下部には「その他の試合情報」「マッチギャラリー」といった項目があるなど、細部はややお粗末と言えるでしょう。
しかし、ここで誘惑に負け、動画の再生ボタンを押してしまうと、次に現れるのは氏名や郵便番号、クレジットカードといった個人情報の入力画面。「視聴にはログインが必要」という建前で入力を促してきますが、絶対に登録を行ってはいけません。


なぜならばこれは明らかなフィッシング詐欺の手口。手持ちのカード情報を入力してしまうと、瞬時に悪意のある相手に盗まれてしまい、不正利用される可能性が一気に高まってしまうのです。もしも登録してしまった場合は、速やかにカード会社に連絡し、利用を停止するようにしましょう。